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日本赤ちゃん学会とは?

 設立にあたってのメッセージ

1. 理事長(設立時)あいさつ

国立小児病院名誉院長
東京大学名誉教授
チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)所長 小林 登

 日本赤ちゃん学会の船出に際して、設立当初から日本乳幼児行動発達研究会に関係して来たものとして、喜びに堪えない。
 欧米では、1970年代から乳児行動の研究が特に活発になったが、当時わが国では極めて限られていた。幸い最近になりこの学会が組織される程、研究者の人口は増加し、その巾が広くなった。意義深いことである。
 特に、この10年来わが国でも脳科学の研究が活発になるとともに、成果が上がり大きく飛躍しつつあり、「脳を育くむ」にはどのような研究をすべきかが論じられている。このような時期に、この学会が組織化された意義も大きく、その社会的期待も強い。
 それは、現在の教育現場の問題行動、さらには従来あまり見られなかった思春期の暴力問題などが多発し、その現象と乳幼児期の育児・保育さらに教育のあり方との関係が問題になり、それを明らかにする必要があるからである。Huber・Wiselのノーベル賞研究で代表される脳の可塑性と生活環境の関係を、今人間について新しい研究法を使って明らかにしなければならない社会的な要請があるのである。
 さらに、脳科学の基礎的研究の分野で論じられている脳理論の課題を明らかにする点でも大きく貢献することは間違いない。言語の発達、音楽と脳機能、さらに複雑系脳理論、カオス脳理論などの解明が上げられよう。現在の脳科学でホットな理論的問題を解決するヒントも、この赤ちゃん研究の中から見出せるものと思う。
 幸いこの学会の会員は、学際的であり、工学・物理学などを専門とする者から、医学・心理学などを専門とする者まで極めて巾広い。その特性と総力を結集して研究を発展させるならば、上述の大きな問題ばかりでなく、基礎から臨床まで巾広く、世界的評価を得る研究成果が現れることは明らかで、それを心から希望して止まない。

2. 日本赤ちゃん学会設立総会の開催にあたって

第1回日本赤ちゃん学会設立記念総会会長
埼玉医科大学小児科 小西 行郎
(現・日本赤ちゃん学会理事長/同志社大学 赤ちゃん学研究センター教授)

 エレン・ケイによって「児童の世紀」と名付けられた20世紀は、進化論に基づく科学の時代でもありました。人は日々進化の道を歩み続けていると考えられ、そのなかでとりわけ子どもは未来に向かって成長発達するものであるから、これを科学の対象として研究したり、その成長発達を支援することは疑う余地のないプラスの価値として考えられたのです。しかし、20世紀末の子どもの現状はこうした楽天的な思想に大きな疑問を投げかけています。と同時に、こうした「子ども観」の見直しを我々に迫っているのだと本田は其の書「子ども100年のエポック」の中で語っています。
 一方、最近の神経科学の進歩は、「神経ダ−ウイニズム」という、脳は遺伝子で作られた粗い組織から無駄なものを削り取る2つの過程を経て成長するのではないかという概念を生み出し、また、発達心理や複雑系の研究では周囲からの刺激によって動くという原始反射は決して、新生児の行動の基本ではなく、新生児を自ら自発的に周囲に働きかける存在として捉えるべきではないかという研究が増えています。こうしたいくつかの新しい考え方や所見は21世紀の「子ども観」を新たに構築するのに十分な可能性を持っていると考えられるのです。
 本田の主張するように20世紀末に見られた、育児不安や虐待あるいは学級崩壊やキレる子供達の問題が20世紀の「子ども観」の結果として生み出されたものであるのであれば我々は早急に、21世紀の「子ども観」を新たに構築しなければならないとおもいます。そのためには子どもに関係する研究を行なうすべてのものが一同に介し、研究協力や討論を行なうべきであると思うのです。そこに本学会の設立の意味があるのではないかと私は思っています。
 何ぶんにも未熟で力不足の我が身を顧みず、無謀にも会長に就任し、栄えある設立総会を開催することになり、いまになって後悔をしているところですが、可能な限りの努力をしているところでもあります。皆様の御助力で設立総会が成功裏に終わることを心から願っております。どうぞよろしくお願い致します。



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