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所長・小林登ごあいさつ
 こんにちは。今日はグドール先生のよいお話を聞けて、本当にみなさん方にとっても嬉しい事だと思います。グドール先生は小さい時から動物が大好きで、特にチンパンジーが大好きだったんですね。それで大きくなったらアフリカでチンパンジーの勉強をしたいと、あなたがたのように小さい時から考えておられました。ですから、高等学校を出たらすぐにアルバイトをしてお金を自分でつくり、アフリカにわたり、人類学の研究者、リーキー先生の所で秘書の役をしながら勉強をしたんですね。そして何年かたちましたら、リーキー先生からチンパンジーの勉強をしてごらんとすすめられました。当時はあんまり若かったものですから、お母さんと一緒じゃなきゃ入国の許可がおりませんでした。それで、一緒にあらためてアフリカにわたり、30年以上もチンパンジーの勉強をなさったのです。

 ここで申し上げたいことがふたつあります。グドール先生はチンパンジーを私たち人間の仲間と考え、みな名前をつけたんです。あとできっとフィフィとか、フラナガンとか、お話がでてくると思いますけれども、つまり人間と同じように大切にされたわけですね。私はこのパンフレットの中に「チンパンジーちゃん」という言葉を書きましたけれども、それは、私達も友達同士で...ちゃんと呼びあっているように、そういうような親しみの心を持つことが大切だと思います。

 第2の申し上げたいことは、30年も経ちますと、そのアフリカのチンパンジーちゃんの住んでいる所がいろいろと変わったわけです。つまり、チンパンジーちゃん達が生きていくためには美しい森も必要ですし、きれいな水も空気も必要です。そういうものが段々となくなり、いろいろな問題ができてきて、チンパンジーちゃんの数が段々減ってきているのです。それは、私たち人間や動物達の生きていく場所と生きていくこととの関係の問題、すなわち環境問題がいろいろとでてきて、それが現在大きくなっているからなのです。グドール先生は、そういう問題も解決しようと強い関心を持たれておられるわけです。

 今日はチンパンジーちゃんの生きている姿、それが私たちにとってどんな意味があるのかという事をお話して下さると共に、これから人間あるいはチンパンジーちゃんが生きてくためには環境というもの、つまり生活していく場所がいかに重要かというお話もうかがえると思います。

 英語でお話になりますけれども、通訳の方がちゃんとわかるように通訳をして下さいますから、どうか耳をすましてお話をうかがって下さい。そして終わって質問したいことがありましたら、みなさん手を上げて聞いて下さい。それじゃあ、お話を伺いましょう。


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