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子どもの健康、Child Scienceの立場から考える―就学前を中心に
小林登(チャイルド・リサーチ・ネット所長、小児科医)

 本日は歴史と伝統のあるこの学会にお招きいただき、ありがとうございます。朱家雄先生及び東北師範大学の皆様に感謝いたします。

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 子どもたちの健康を考える場合に、健康をここから考えていきたいと思います。「健康」というのは、病気がないという状態だけではありません。WHOは、身体的、精神的心理的にも、また、社会的にも良好な状態(“well-being”)と、定義を拡大しています。したがって、健康は医学だけの問題ではなく、もっともっと広い立場から考えなくてはなりません。私は、それを人間科学的な立場から考える必要があると思っています。

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 「人間科学」“Human Science”という考え方は、総合的であり、包括的であり、学際的であり、科学的な学問であります。従来の身体的な医学・保健学の範囲から、人間の全ての営みを包括する、社会学、心理学、経済学、政治学などの範囲まで及ぶのです。そして、また、自然科学系と人文科学系とが混じった、融合した科学であるといえます。子どもの健康を捉える場合も例外でなく、子どもの“Human Science”、すなわち、「子ども学」“Child Science”の立場から捉えなければなりません。

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 私たち小児科の医者たちは、子どもの健康を考える場合には、成人との違いを考える必要があります。第一は、体の「成長」“Growth”と共に、心の「発達」“Development”をみます。健康と発達は表裏の関係にあります。すなわち心と体が「育つ」こと、また、育児・保育・教育すなわち「育てる」ことも忘れてはなりません。たとえば、私たちが病気の診察をするときに、必ず身長や体重を測ったり、場合によっては知能検査をしたりするのは、それが健康の状態を見るすべての出発点であるからです。その上、疾病を考える場合、単に生下時に健康で生まれた子どもが、後になって罹る感染症のような疾患ばかりでなく、生きていくことは可能であっても、生まれながらに疾病を持っている場合もあることも考えなければなりません。「先天異常」“Congenital Disorders(Anomalies)”はその代表です。

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 健康を拡大して考える場合、子どもは生物学的存在として生まれ、社会的存在として育つことが重要です。それは、大人になれば、生物学的存在と社会的存在の両面を、お互いに協調させながら生活することを意味します。社会的側面を考える場合、環境汚染などばかりでなく、文化も含めて考える「人間生態学」“Human Ecology”の立場が重要です。そしてまた、成長と発達を考えるとき、子どもの場合は「小児生態学」“Child Ecology”の考え方が必要だと思います。生物学的なもの、人間学的なものは家庭のお父さん、お母さん、学校の先生などになりますが、生物学的なこととなると一番問題になるのは病気の感染症、そしてまた物理化学的な因子となると大気汚染や水汚染の問題になってくると思います。そしてまた社会文化的な因子というのは、たとえばテレビなどのメディアと子どもの関係ということになると思います。したがって、“Human Science”も“Child Science”も、自然科学、特に医学・生物学などと、人文科学、特に社会学・文化人類学などを融合させた「文理融合科学」なのです。「文理融合科学」として「子ども学」を考えるには、システム情報論が有用と考えています。それは、そもそも自然科学者が20世紀前半に考え出した「システム」とか「情報」という理念が、今や人文科学者によっても利用されているからです。
 ここで、子どもの健康をシステム情報論で考えてみたいと思います。生物学的存在としての子どもは、1個の受精卵から始まり、細胞の分裂・増殖、そして、細胞がそれぞれの機能を担い、臓器・組織を構成する上皮細胞・神経細胞・筋肉細胞・肝細胞などに分化します。それによって、心臓を中心とする循環器系、肺を中心とする呼吸器系、口から始まる胃消化器系、骨・筋肉による運動器系などシステムが組織化され、脳を中心とする脳神経系が中枢となって機能する、総合体としての胎児が形成されます。そして、新生児として生まれ、子どもとして「育ち」、「育てられる」のです。
 このように、細胞・組織・臓器を組み合わせて、体がシステムとして自己組織化されると共に、それぞれの臓器、さらに臓器系を機能させるプログラムも脳の中で自己組織化されます。それは、胎児の行動を見ても明らかです。胎児の「心拍動」「手足の動き」「指吸い行動」、さらには「微笑む表情」などを見れば、遺伝子を基盤とする心と体のプログラムが存在すると言えます。

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 したがって次のスライドのように、私は子どもというのは、心のプログラムと身体的な体のプログラムをうまく働かせて、発育させるプログラムというものをもっていると思います。プログラムは、脳の神経細胞のネットワーク(Neuronal Network)を働かせるもので、心と体のプログラムに分けられます。心のプログラムは、知情意の精神・心理機能のそれであり、体のプログラムとしては、心拍動や呼吸など臓器系の体のプログラムと運動や行動の体のプログラムとがあります。胎児期に持っている基本的な心と体のプログラム、特に運動や行動のプログラムを働かせながら、基本的なNeuronal Networkも組み合わされ成長すると共に、プログラムが組み合わされて複雑な行動もとれるよう発達するのです。
 こう考えると、子どもの健康は子どもの心と体のプログラムが円滑に作動している状態と言えます。したがって、子ども達を健康に育てるために、心と体のプログラムを円滑に作動させるには、どのようにしたら良いかを考えなければなりません。そして、そのプログラムを働かせるものが、子どもたちの周りにある生活環境、生態系にある情報だというように考えることができると思います。

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 子どもの生態系は、同心円構造になっています。この図の真ん中に子どもがありますが、そのすぐ外側にはミニの生態系である家庭、その中には親子関係とかがあります。そしてその外側にはメゾの生態系、すなわち保育園や幼稚園などがあって、さらに外側には地域社会を考えなければなりません。そしてそのお互いの生態系はいろいろと影響しあっていると言えると思います。

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 したがって、子どもの健康を支えるシステムは、マイクロ、ミニ、メゾ、マクロという生態系に分けて考える必要があります。つまり、微小な人間関係、それから小さい人間関係、それから間の人間関係、そして地域社会のような大きな人間関係を考えなければなりません。特に、大生態系、マクロエコシステム、地域社会というのは、保育や幼児教育などの教育行政、さらには保健行政、そしてまた小児科医による健康相談、育児相談などが子どもの健康を支えるのに重要だというのは明らかです。

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 日本の大生態系、マクロエコシステムにある保健行政をご紹介したいと思います。地方自治体は、国の予算の支援を受けながら、保育園や幼稚園の設立の認可や運営の仕方というものが就学前教育にとっては非常に重要だと思います。とくに最近、今まで分かれていた保育園(child care center)と幼稚園(kindergarten)が統合する方向に動いております。保健行政の中で日本で普及しているのは、育児相談、健康診断、国によって3ヶ月に1回とか1歳のときとか3歳のときにきまってやっています。特に重要なのが、お母さんが妊娠したときから子どもが小学校に入るまでの間、いろいろな記録をとった母子手帳というのが非常に重要な役割をもっています。母子手帳には妊娠・分娩の世話をした産婦人科の先生と、それから小学校に行くまでの育児相談をした小児科医の先生の記録が全部書き込まれていて残るようにしています。それがわが国の乳児死亡率を著しく低くしていると思います。

 子どもの健康を考える場合に、私は情緒あるいは母性剥奪症候群の子どもを診察することがいろいろなヒントを得ることができると思います。ここで4つのお話をしたいと思います。

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 第1の話は、第2次世界大戦後、ドイツの町には2つの孤児院がありました。この子どもたちの健康を調査したWindowsonというイギリスの女性の栄養学者の報告です。Windowsonは、2つの孤児院の体重曲線を調べ、上のほうがAの孤児院とすれば、Bのほうの孤児院の子どもは体重曲線が低かったのです。ところが調べてみると、Aのほうの体重増加のいいほうの孤児院は、優しい、若い保母さんが世話をしておりました。そして体重の悪いほうは、どちらかというとガミガミとうるさいお婆さんの保母さんが世話をしておりました。ガミガミとうるさいお婆さんにも好きな8人の子どもがいたわけです。真ん中の白丸の曲線は、その8人の子どもの体重増加曲線です。優しい保母さんに育てられた子どもの体重曲線との間のちょうど真ん中になったというわけです。縦線のところは、ここでAにいた優しい保母さんが辞めてしまったわけです。そこで、Windowsonはどういうことをしたかというと、年を取ったうるさい保母さんに好きな子8人を連れてAのほうに移りなさいと言って、Aのほうに体重の増加のいい子どもばかりを集めたわけです。そうすると、Bのほうには体重の増加の悪い子ばかりが残るわけです。そこで、Windowsonは、前と同じような優しい若い保母さんを連れてきてBのほうの子どもたちの世話をさせました。そうすると、この縦線の左側をみるとわかるように、体重の増加の悪かった子どもは、前と同じ食事だったにもかかわらず、どんどん体重が増えて、体重がよかったほうの曲線とクロスするようになりました。そして、Aの体重の増加のよかった子どもたちは、うるさいお婆さんがきたということで、食事の量を少し増やしたにもかかわらず、体重の増加はあまり変わらなかった。好きな子どもの8人は、食事の量が増えたものですから、体重がどんどん増加していきました。ということは、食事の量よりも、優しくされるということが子どもの健康状態に大きな影響を与えるということを示した研究といえます。これは、1951年ですから、戦争間もない頃イギリスで発表された論文です。

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 第2のお話は、二卵性双生児のお話です。左側の女の子は右側の男の子よりも、身長・体重の増加がよくて、いきいきしています。なぜ、そうなったか。それは、この二人のお母さんは、この双子に差別をしたんです。男の子がどうしてもかわいいと思えない、なぜならその子がだんなさんに似ているからです。この話も、同じ時に生まれて、男女違っていますが二卵性双生児で同じ状態に置かれても、優しさがなければ子どもはちゃんと育たないということを示していると思います。

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 第3のお話は、私と一緒に勉強をしておりました、諏訪ドクターの報告です。上は身長曲線ですが、よくみますと、伸びが良いときと悪いときがあります。下の体重曲線も、体重の増加の良いときと悪いときがあります。身長は少しも伸びないで、体重は少しさがっているときがありますが、そのときがこの子どもがお母さんと一緒に生活しているときなのです。それまでの体重増加の良かったり悪かったりするのは、病院に行ったり家に帰ったりしているからなのです。7歳のときから身長・体重が順調になっているのは、それはこの子どもが施設に入れられたためです。施設に入って、施設の先生方に優しくされると、子どもの身長・体重がどんどん伸びていったのです。一番下のほうにIQが書いてあります。身長が1センチも伸びずに体重が下がっているときのIQは50ですね。ところが、施設に入って先生方に優しくされるようになると、IQは60から100、108とどんどんIQがよくなっていくということをこのデータは示しています。

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 最後の4番目のお話は、1989年のパリの国際小児科学会でのMonkebergという小児科の先生による重症栄養失調児にみられた反復感染の頻度の報告です。普通の病院で世話をした重症栄養失調児は月に4.5回の反復感染をおこしました。すなわち、肺炎だとか下痢だとか皮膚の感染症だとかですね。その表の下にあるMonkeberg先生の行った施設では、月に0.3回、すなわち10分の1以下の頻度に下がっております。そして、死亡率は、普通の病院では2.9%にもかかわらず、Monkeberg先生のところでは0です。このMonkeberg先生のところでは、お母さん代わりのおばさんたちにボランティアで子どもたちの世話をさせていたというわけです。そういった優しさというものは、免疫や感染防御にも影響を与えていると推測されます。

 こういった事例を考えて見ますと、私が前に申し上げましたように、子どもの問題は子ども科学的に考える、すなわちシステム情報論の立場から考えると、自然科学系の人も人文科学系の人も考えやすいのではないかと思います。子どもは生まれながらにして、心のプログラムと体のプログラムをもって生まれます。このプログラムを生活環境の情報によって、すなわち保育園や幼稚園などの施設で行われるやりとりや情報によってそのプログラムを働かせて、それを組み合わせながら子どもは育っていると考えたらいいと思います。私はプログラムを働かせるという情報には2つあると思います。
 すなわち、「理性の情報」と「感性の情報」です。たとえば、お母さんが自分の子どもに「いい子ね」と語りかけるときには、「いい子」というのは「理性の情報」です。語りかけるイントネーションやリズムは、「感性の情報」です。幼稚園や保育園に行っている子どもたちは言葉を理解できますけれども、乳児、赤ちゃんのときの子どもは「理性の情報」を理解できませんから、「感性の情報」が非常に重要だと考えなければなりません。

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 私は、プログラム、プログラムと言ってきましたが、基本的なプログラムは何かということを考えたいと思います。父親、母親の遺伝子によって作られる脳の中の神経細胞のネットワークを働かせるものが情報だと考えられるべきであります。
 外から何の教育も受けていない生まれたばかりの胎児や新生児、生まれたばかりの赤ちゃんの行動を見れば、そういうプログラムがあるということがわかります。たとえば、手・足を動かす体のプログラム、胎児や新生児がにんまりと微笑むプログラム、姿をみれば笑う心のプログラムもあると考えることができます。

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 実際にみてきましたが、これは妊娠11週の胎児の画像です。手や足を動かしているのが良く分かると思います。ですから、胎児のときから赤ちゃんは手・足を動かす体のプログラムをもっているということができると思います。われわれ大人はもっと複雑に手・足を動かしますが、それはこういう胎児のときからもっている基本的なプログラムを組み合わせているのだと考えることができます。

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 妊娠しているお母さんがテレビを見ているところです。12週の赤ちゃんがおなかの中にいるわけですが、この12週の赤ちゃんはテレビで流れる音楽のリズムやピッチが変わると心臓の動き方がかわっています。胎児は音楽がわかるんだというプログラムをもっているのだということがこれによっていえると思います。その子どもが保育園や幼稚園に行って、先生と一緒に音楽で手・足を動かしたりすることによって、もっと音楽を鑑賞するプログラムがよくなっていくわけです。

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 これも胎児の頭が子宮のでっぱりのところにひっかかったときの画像です。胎児は手をつっぱり、手・足をつっぱりしてなかなかはずれない、しかし最後に頭をぐるっとまわしてはずしました。ですから、胎児にも、手をつっぱり足をつっぱりした情報を頭に集めて、分析して、それを利用して、頭をはずすという行動をとるという、ある意味でいうと、考えるというプログラムがあると言えます。

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 これは胎児が指を吸っているところです。胎児も指を吸うプログラムをもっているのです。生まれた直後でもお母さんのおっぱいを吸うことができます。われわれ大人もストローでジュースを吸うときにこのプログラムを使っていると考えることができます。

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 生まれてオギャーと言って泣いて産声を上げているときの写真です。声は生まれたばかりの赤ちゃんでも、お母さんから離れる不安を感じるプログラム、お産のおそろしさを感じる心のプログラムをもっていることを示しています。同時に、この声を使役することで、呼吸の体のプログラムにもスイッチが入ると考えられます。

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 さて、可愛がられない子どもの成長が悪いということをお話しましたが、それを考えると私たちの脳がどのように進化したのかということを考えるとよいと思います。脳は、脊椎動物にあります。魚類や爬虫類の脳です。私は、これは生命脳と呼べると思います。なぜならば、呼吸するとか血液循環するための生命維持のためのプログラム、運動だとか行動のための基本的な行動のためのプログラムしかもっていないからです。この生命脳をカンガルーのような原始的な哺乳動物になりますと、本能・情動に関係する大脳辺縁系がカバーします。ですから、本能・情動脳と呼ぶことができると思います。
 なぜ、そういう脳が進化したかといいますと、たとえば、カンガルーのようになりますと、グループを作って集団生活をしなければなりませんから、情動、といいますか情緒というような心の問題が入ってきます。あるいは、生存競争に勝つためには、怒りとかそういうプログラムが必要となってきます。それで、大脳辺縁系が発達して、本能・情動脳ができたと考えられます。さらに進化して、犬や馬のような高等な哺乳動物になりますと、その本能・情動脳の上に新しい皮質がカバーされて、知性や理性のプログラムをもった脳になります。この知性・理性脳がもっとも発達しているのがわれわれ人類の脳だといえます。

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 私たちは、子どもたちがかわいがられて、遊ぶ喜び、学ぶ喜び、そして生きる喜びいっぱいになる機会が子どもの健康を作ると私は考えております。もちろん、言葉がわかるようになってから、いいこと・悪いこと、厳しいしつけも必要となってくると思います。

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 それは、前に申しました、われわれの脳は三つの脳でできているといわれていますが、その真ん中にある古い皮質のところが本能・情動脳で、先ほどの生きる喜び、遊ぶ喜び、学ぶ喜びというようなものは、この本能・情動脳のところにプログラムがあるわけです。ですから、そこを働かせることが子どもの健康に必要なわけです。
 ちょうど真ん中にありますから、当然のことながら下にある生命脳、生きていくための脳、たとえば、かわいがられない子どもが成長発達が悪いという、身長の伸びや体重の増加が悪いということは、成長ホルモンの分泌に関係しているからだと考えられますが、それもその生命脳のひとつのプログラムだと考えることができるわけです。と同時に、新しい脳が上にありますから、知性や理性にもこの脳が積極的に働くことが知性や理性を伸ばすということにも影響するわけです。

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 したがって、私たちは子どもをどうしたら遊ぶ喜びいっぱい、学ぶ喜びいっぱい、そして生きる喜びいっぱいにすることができるかということを脳科学を柱として研究していかなければならないと思います。私はそれを、児童生命感動学、子ども生命感動学と呼んでおります。英語でいいますと、Child BioEmotinemicsという言葉を私は使っております。

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 私のつたない話を終わるにあたりまして、ひとつの詩をお見せしたいと思います。諸福棠先生が1981年に日本小児科学会で特別講演されたときに、私に教えてくださった詩です。明の時代に中国に渡った日本人、おそらく僧侶が書いたものです。私は中国に来るたびに、この詩を思うのです。これで終わります。謝謝。

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