日本の大生態系、マクロエコシステムにある保健行政をご紹介したいと思います。地方自治体は、国の予算の支援を受けながら、保育園や幼稚園の設立の認可や運営の仕方というものが就学前教育にとっては非常に重要だと思います。とくに最近、今まで分かれていた保育園(child care center)と幼稚園(kindergarten)が統合する方向に動いております。保健行政の中で日本で普及しているのは、育児相談、健康診断、国によって3ヶ月に1回とか1歳のときとか3歳のときにきまってやっています。特に重要なのが、お母さんが妊娠したときから子どもが小学校に入るまでの間、いろいろな記録をとった母子手帳というのが非常に重要な役割をもっています。母子手帳には妊娠・分娩の世話をした産婦人科の先生と、それから小学校に行くまでの育児相談をした小児科医の先生の記録が全部書き込まれていて残るようにしています。それがわが国の乳児死亡率を著しく低くしていると思います。