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汝(な)と我(わ)の出会い、
PLAYSHOP と World Youth Meeting からVITAL LINKへ
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公文大志(中京大学情報科学部)

 出会いが持つエネルギー、この途方もないエネルギーをどのように形づけるかという問題はWorld Youth Meeting はもちろんのこと PLAYSHOP にも共通する大きなテーマだ。

 そして『全ての出会いは「汝(な)」と「我(わ)」の出会いから始まる。古来より、縄は願いを結び、禍を縛り、福を引き、そのプロセスは多くの心を縒ってきた、生命の螺旋。(八木マリヨ:縄ロジィより)』

 今回のPLAYSHOP を企画するに当たり我々がもっとも心を砕いたのは、World Youth Meeting が国際交流の会議であり、言語・文化の違いが、交流の妨げになるのではないか、という問題をどのように解決するかという事だった。

 World Youth Meeting のテーマは「誤解から正しい理解へ」、相手のことを正しく知る、相手と自分の相違を探る、「違い」を「知る」ことと同じように、「同じところ」を「感じる」という視点が実に重要であり、高校生達にとっても刺激的なものであると直感していた。

 文化も言葉も違う参加者すべてに共通する、わかりやすい例として「身体」があった。『「縄ない」はそのプロセス自体が、体と体のコミュニケーションを生み、心と心の触れ合いを可能にする現代芸術(八木マリヨ:縄ロジィより)』であり、Face to Face でなく Body to Body のコミュニケーション、そのメディアとしての「縄」であり、言葉はこれを補佐するための存在であると位置付けた。

 そして参加者達は縄綯いのリズムに身を任せ、次第に心を一つにしていった。PLAYSHOP 「Play & Twine」で綯った縄は「縄バイタルリンク」へ続く最初の一本となる。

 環境芸術家・彫刻家八木マリヨ氏が総合プロデュースする「縄バイタルリンク2000-京都」、二万枚を越えるT-シャツをつなげ、縒り、綯うことを繰り返すことで巨大な縄柱を建立するコラボレーションアートだ。これは日本文化デザイン会議2000京都の同時開催イベントとして、また会議のシンボルとして位置付けられている。

 今回、世界の若者達の出会いが縄を生んだように、また別の何処かで人と人の出会いが縄を生み、縄と縄が出会うことでまた一本の縄が生まれ、縄柱へと続いていく。

 一つの出会いが新たな出会いの素材でしかない、その点でバイタルリンクは出会いを表現した芸術とも解釈できるだろう。同じように、PLAYSHOP そしてWorld Youth Meetingでの出会いは次に控える未知の出会いのための一つの素材として活きてくるに違いない。


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