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参加者の声
基調報告1「米国NICHD早期保育研究」について



CRNではシンポジウム開催に伴い、参加者へのアンケートと期間限定フォーラムの開設(7月9日〜28日)を行いました。参加者の目から見たシンポジウムはどのようなものだったのでしょうか? ここでは、プログラムごとに挙げられた「声」を集めてみました。皆様からも是非声をお寄せください。お待ちしております。


〜各パネラーの報告・発言に対する感想・意見〜


20代へ30代へ40代へ50代へ60代へ70代へ年代不明へ



20代の声

保育士(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:保育の要素よりも、家庭の特徴と母子関係の質のほうが子供の発達に強い関連性を持つという内容。


保育士(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:働く女性の側に立った働く女性の味方の意見だと思う。働く女性は日本では立場が弱く、いろいろな面でいろいろな価値観からバッシングされることも多いので、この話を聞いて自分を肯定できる人は多かったのではないかと思う。

レターカウンセラー(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:個人的にはどんな保育を受けても、母親の意識・心構えがあれば、良い子育てができると思っていたが、質の高い保育を受けることが子供の発達にいい影響を及ぼすということがわかり、人が育つということには、多くの人の関わり(大人も子どもも)が必要ということを改めて認識した。

Q:疑問を持った点、わからなかった点は何ですか?
A:「問題行動」という言葉が何度か出てきたが、どういうことを指して問題行動というのか? また、乳幼児期の段階で、その行動を「問題」と決めつけてもいいものか少し疑問に感じた。


30代の声

元保育士(女性)
Q:疑問を持った点、わからなかった点は何ですか?
A:保育園選びについて。日本では希望通りに行かないことが多いので、「質の高い保育」を受けられないことがある。その際、親としてどう子どもに接したり、保育園に働きかけていけば良いのでしょうか。
また、母親は「高学歴」のほうがよいという結果が出ていましたが、「学歴」とは単に最終学歴を示すのでしょうか。性格や興味など、素敵な女性(母親)は沢山います。反対に「頭でっかち」の方もいると思いますが、いかがでしょうか?


研究者(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:保育の特徴より家族の特徴の方が発達への影響が高いことが、客観性の高いデータによって示されていたこと。また、発達への影響因子が、様々な条件の組み合わせで、相互に変化すること。



大学院生
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:この研究は、乳幼児育児のごく一部の面を徹底して研究したものであるが、日本でありがちな一般化しやすい安易な結論に走ることなく、大規模な継続研究がなされていることに感動した。この研究に関する記事が今年度はじめに某通信社から配信されたが、その内容はあまりにいいかげんで意味のないものだった。この研究の視点は、これからの日本の育児を考える上で有益だと思うが、まだまだ日本では、この研究の意味すら理解されないのではないか、と日米の差を感じた。


保健婦(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:仕事をしていても、しっかりと子供との結びつきは持てること。しかし、保育が長時間になると、かすかに子供の発達に影響があること。母親のセンシティビティの大切さについて。


保健婦(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:保育の種類や時間に関係なく母親、家族との関わりが重要であることが結果として現れたということ。


会社員(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:長時間(30時間/週)の保育は子どもの発達に影響しない、と受け止めました。また、親の子どもへの関わりは量ではなく質である、と理解しました。

Q:疑問を持った点、わからなかった点は何ですか? A:「積極的保育」とは単に「預かり」や「子守り」とは異なる「保育」を指すものと受け止めましたが、具体的にどんな内容を指すのかもう少し詳しく伺いたいと思いました。


会社員(女性)
子ども0:保育者6名の担当制をとり職員間の協力をもって保育にあたることで保育士が子どもの小さな変化に気づき、予測をもって保育できる、という話に関心を持ちました。


会社員(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:大切なことは、質の高いチャイルド・ケアを選択することであり、その選択は家族がするものであること。


会社員(女性)
Q:疑問を持った点、わからなかった点は何ですか?
A:今回の調査報告から母親のセンシティビティが重要であることはわかりましたが、それでは父親との関係はいかがでしょう。母親にとって父親は育児の重要なパートナーであって欲しいし、これからそうしていかなくてはならないと思うので。


歯科助手(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:「素直さや自主性を扱う上で柔軟に対応:素直でないことに過度に反応することなく、依存心を許容しつつ、自主性を支える。」この一節が今の自分の育児にとても参考になった。


フリーライター(不明)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:未だ一部にある「0〜3歳児まで母親の手で育てなければだめだ!」という俗信を一掃する内容。今までに経験したことのない社会構造の中、チーム(両親、プロの保育スタッフ)で子育てをしていく方針には大賛成。ただし、もっと社会制度が整備されなければならないと思う。


フリーライター(女性)
Q:疑問を持った点、わからなかった点は何ですか?
A:「保育よりも家庭」という結論は、保育園に預ける人にとってはある種心強いですが、「家庭」の不備は取り返しがつかないのだろうか?という別の不安にも繋がるのですが、その点はどうなのでしょうか?。


40代の声

保育士
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:保育時間が母子関係や愛着の成立に影響を与えないということが大規模な研究で立証されたことと、一番の影響は母親の精神状態と質の良い保育だ、という2点です。母親の精神状態が子どもの発育に大きく関与するならば、まずは、子どもの安定を図り、次にはその子のポジティヴな変化を母親に知らせ、共に共感し合いながら、成長を喜び、母親の精神状態を支えていく。・・・・そのような保育を心がけたいです。


幼稚園教諭(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:保育の重要性もよく分かったが、母親や家庭の影響には及ばないということに安心したとともに、改めて、子どもの発達に母親の影響が大きく関連してくることを実感した。

Q:疑問を持った点、わからなかった点は何ですか?
A:子育てに、母親が関わっても他人である保育者が関わっても、質の高い保育が可能な部分もあるというデータだが、やはり、母親と他人とでは意味が違うと思うが、その点はどうなのだろうか?


幼稚園教諭(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:質問した人がいましたが、私も母親が子供の心を読み取る心がどうしたら身につけることができるのか、又、どのような環境の母親がその心を持つのでしょうか?やはりそれは母親の幼児期に関係があるのではないかと私は思いました。


発達心理学者(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:認知発達の程度と、保育の質、種類などが関連することを、大量のデータをもとにお示しいただいたこと。長期にわたる縦断的研究に取り組んでいらっしゃることに感銘しました。

Q:疑問を持った点、わからなかった点は何ですか?
A:保育の質の内容が、わが国のそれとどのように違うのか、もっと詳しく伺いたい。


医師(男性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:保育時間が、母子関係や愛着の成立に影響を与えないということが、大規模な研究で立証されたこと。
看護婦(女性)
Q:疑問を持った点、わからなかった点は何ですか?
A:「保育の質」について、どの線で良し悪しを分けたのかを知りたい。日本でいう、認可、無認可に当たる線なのかなぁとも思いましたが、どうでしょうか?


50代の声

保育士(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:質の高い保育であれば、保育園と家庭のどちらで保育を受けても差がないこと。


園長(女性)
Q:疑問を持った点、わからなかった点は何ですか?
A:日本の保育園における保育時間が週50時間くらいある現実から、この研究結果をどうスライドして考えていったらよいのかが疑問に残りました。


園長(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:アメリカのワーキングマザーも、日本での私の周囲のワーキングマザーと同じ悩みがあり、母という立場は全人類同じなのだと思った。

Q:疑問を持った点、わからなかった点は何ですか?
A:「保育の質」を測定するのも人間だと思うが、測定するプロの資質の高さ(低さ)も影響するのではないでしょうか? 保育の質の低いという言葉がよく出てきたが、どういうものをアメリカでは低いとしているのか知りたいです。


医師(男性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:米国と日本における社会的なバックグラウンドの差から出る子育ての差と思います。いかにも米国的で面白かった。


医師(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:保育の形態に関わらず、子どもの発達に最も影響を与えるのは、家族の特性、特に母親の特性であるということ。つまり自分の(母親を含め家族の)子どもへの関わり方や自分自身の生活に自信をもてば、子どもに良い影響を与えられるということに、非常に共感を覚えた。


医師(女性)
Q:疑問を持った点、わからなかった点は何ですか?
A:センシティビティを育むには人にとって何が一番重要なのでしょうか?


60代の声

教育関係者(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:全米の保育の状況を明らかにしていたこと。保育の質が言語発達や認知発達に大きな影響をもつこと。母親のセンシティビティが大きな影響を与えていること。


教育関係者(男性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:研究発表も質疑応答でも、調査研究をもとに説得力のある話をされたフリードマン先生の話に感心した。とかく明確なデータもなく評論する傾向が多い分野で、多くの研究事例から導き出された発表内容は参考になった。日本においても通用する内容だと思う。


70代の声

会社員(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:外国と日本は違いすぎると思いました。外国は保育時間に理解があるように思えます。日本でももっと保育についての理解を持ってもらいたいものです。


公務員(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:大変分かりやすく、データもきめ細かく役立ちました。保育時間の長さが子どもに必ずしも悪くないということや、保育の質が大切であるということをデータで示してあり、とても分かりやすくありがたかったです。7歳時以降の子どもについての今後の調査もぜひ拝見させていただきたい。


年代不明の声

保育士(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:保育に当たる人の質の向上を呼びかけていってほしいと思った。保育(育児)者の学歴、夫婦関係、所得が子どもの心身の成長に大きく影響することを改めて実感した。

Q:疑問を持った点、わからなかった点は何ですか?
A:アメリカやヨーロッパでも育児の大切な時期に国が力を注がないと聞く。人格形成の根っこなのにとても残念だ。日本もそれに近い状況で残念に思う。


研究者(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:NICHDの調査自体に関心を持った。その中でも家族の条件、家族の特徴が保育にも育児にも深く関連していること。


医師(男性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:働く女性のチャイルド・ケアを社会がサポートすべきであるという結論は説得力があった。


レターカウンセラー(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:母親のセンシティビティが子どもの発達に深く影響すること

Q:疑問を持った点、わからなかった点は何ですか?
A:センシティビティと母親自身の子に対する純粋な愛情との問題はどうとらえたらよいのでしょうか?


(女性)
Q:最も関心を持った内容は何ですか?
A:アメリカでは早くから母親以外の人による保育が始まる点は日本とずいぶん違う。単に、時間や年齢といった数値だけでない要素を組み合わせて分析している点が興味深かった。


CRNより
 誌面の都合で全ての意見は掲載できませんでしたが、「母親のセンシティビティについて関心を持った」という意見と「質の高い保育とは具体的にどのようなものか?という質問が、年代・性別に関係なく多数寄せられました。


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