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小林登文庫
2002.12.27

CRNを国内外で発展させよう

明けましておめでとう御座います。

2003年の新年を迎え、21世紀は3年目に入り、「サイバー子ども学研究所」"Child Research Net"も7年目に入る事になりました。幸い、大きな問題を起こす事もなく、アクセス数は日本語版で月55万程にもなったのです。大変嬉しく思うと共に、御支援戴いた皆々様に心からお礼を申し上げます。

新年に当たり、これからのCRNのあり方を考えてみたいと思います。そもそも、インターネットに特に関心を持っていなかった私が、この様なものを立ち上げようと考えたのは、10年前1992年春のノルウェー・ベルゲンで開かれた子ども問題に関する国際シンポジウムでの話し合いの場でした。21世紀を迎えるに当たり、われわれは何をなすべきか話し合ったのです。そして、世界の子どもの問題に関心を持つ者が、まずインターネットを通じて交流し、問題解決を話し合える場を作ろうという事になったのです。そして、私はベネッセの御支援を得て、このCRNを設立しました。

日本語版は順調に発展しましたが、英語版のアクセス数は、現在、月約5万ですから、本来のわれわれの目的は、まだまだ遂げられておりません。これについては、日本語版にアクセスしている方々に是非、応援して戴きたいのです。外国のお知り合いの方々に御紹介戴く等、色々なやり方があると思います。何卒宜しくお願い致します。

日本語版にアクセスして下さっている方々の殆どは、日本の方々であるに違いありません。従って、子どもの問題に関心を持っている日本の方々の交流は、そのアクセス数から見て、ある程度目的を果していると言えるでしょう。しかも、メンバー制になっているページでも、その登録数が2000名を超えた事は、それを確かなものにしています。

しかしながら、CRNが実践的な面で、直接、わが国に見られる多様な子どもの問題解決の力になっているかとなると、まだまだ充分ではないと反省をしています。CRNでの研究成果とも言うべき、交流の結果を、どの様に実践的に発展させて行くかが、今われわれに求められているのではないのでしょうか。

確かにわが国では、現在社会のあらゆる局面で、多くの問題がある事は御存知の通りです。その基盤には、20世紀末になって顕在化した共通のものがある事は間違いありません。それは一体何であるか、まず考える必要があります。少なくともその一つには、豊かさ、特に物の豊かさを追い求め過ぎ、大切なもの、特に心の豊かさを忘れてしまった事がある様に思えます。

心の豊かさを忘れ、物の豊かさのみを追った20世紀の反省という面からだけでも、育児・保育・教育から見た子どもの問題は決して少なくありません。CRN所長としては、CRNが現在行っている事が、その問題解決に少しでも実践力を発揮出来る様に、また、少なくとも実践力を強める事が出来る様に、是非、参加している皆様に御支援と御協力をお願い致します。



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