さらには、乳幼児期の「基本的信頼」"basic trust"の形成、あるいは、3、4歳になって、他人の行動を見て、その人の心を理解する「心の理論」 "theory of mind"の確立は、優しい子育てによって、胎児期・新生児期の基本的な心のプログラムが、お互いに組み合わされ、複雑な高度な情神とリンクすると共に、他の心のプログラムとも組織化されて、コントロールされるようになった結果と理解出来よう。
教育に関係する、上述の心のプログラム全てが、教え方、あそばせ方によってフル回転すれば、子どもは「学ぶ喜び一杯」になり、「あそぶ喜び一杯」にもなって、「生きる喜び一杯」"joie de vivre"になり、教育効果は上がる。それには、子ども達の心を読みとる、"sensitivity"(感受性)と、それに対して優しくやりとりする"interaction"(相互作用)、すなわち、子ども達への優しいまなざし、優しい勇気付け、そして、子ども達とのふれ合いも必要である事は、脳科学の立場からも言えよう。