コンドームの無料配布 |
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−スクール・ボード・ニュース(97年10月14日)より ニューヨークとシカゴの高校生13,000人を対象にした調査によると、彼らにコンドームを無料配布したところ、性行為は決して増えることはなかった。また、コンドームを使用する比率が、わずかながらも上昇したことがわかった。 ニューヨーク大学とハンター・カレッジの研究者は、ニューヨーク及びシカゴ市内における高校生の性生活を調査した。ニューヨーク市内の生徒には、コンドームを無料配布し、シカゴ市内の生徒には、配布しなかった。性行為に関する調査は、双方とも似たような結果だった。性経験がある生徒の割合は、ニューヨークでは59.7%、シカゴでは60.1%だった。そのなかでも、一番最近の性経験でコンドームを使用した生徒の割合は、ニューヨークでは60.8%であり、シカゴでは55.5%であった。 コンドームを無料配布すると、性行為が増加するとの懸念があり、これが一番の政治的障害ともなっているが、研究者たちは、この懸念は現実には認められないとしている。 |
自殺とは死のことではない |
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−十代の子どもが自殺を考える時は、死にたいのではない。苦痛を止めたいのだ。 15歳から24歳の間では、自殺は事故に続く二番目に多い死因である。事故であっても、その多くは自殺衝動があったとも考えられている。さまざまな研究によると、10人に1人は、高校に入るまでに一度は自殺未遂をしたことがあり、そして60%は自殺行為を考えたことがあるという。 十代の子どもに対して、自殺についての話をしても、それが原因で自殺することはないだろう。多くの子どもにとって自殺は、もうすでに考えたことがあるものである。十代の子どもにとって、親は一番重要な存在である。親は、息子や娘が自殺をしないようにするために、彼らの人生に働きかけることができるはずだ。 苦痛を止める方法を見つける自殺する十代の子どもは、孤立感や絶望感、自分には価値がないという感情を経験している。彼らは、そのような気持ちに対して、救済を求めることができないという絶望を感じるわけである。若者が自殺を考える時は、死にたくはないのである。苦痛を止めたいのである。大人は、よく、若者のトラブルや悩みを矮小化してしまい、一時的なのものと思いがちである。しかし十代の子どもは、人生に関して、一時的なものという視点は持たない。彼らは、この不幸は永遠に続くものと考えるようだ。誰かが助けてくれるであるとか、他の選択ができることさえも思いつかない。若者は、一時的な状況に対して、自殺が永久的な解決法とはならない、ということには気がつかない。 どうやって助けるか話をよく聞くことが大切である。あなたの子どもが言いたいことに対して、前向きに、かつ真剣に耳を傾けるべきである。子どもが興味を示すような質問をすることは、会話を進めることにはつながるが、そこで評価やアドバイスをしたりとか、大人の解決法を与えることは避けるべきである。あなたの子どもが、無視しようとしてもあきらめてはいけない。子どもが大人の真剣味を本物だと思えるようになるには時間がかかり、それが感じられるようになったら、自分の気持ちを話してくれるようになるはずだ。言葉の陰に隠れている感情を聞き取ることが大切である。注意すべき言葉は、「私は、○○するよりは死んだほうがまし」とか、「これ以上人生は良くならない」とか、「私など、いなほうが良い」などである。 自分の子どもが危ないと思ったら、直接「自殺を考えているのか」と聞くのが良い。子どもは、この質問によって初めて自殺を考える、というようなことはないであろう。なぜならば、もうすでに、彼の様々な言葉から発せられるサインがあったからである。この難しい質問をしたことによって、もっと深い会話を展開させることができ、彼の状況を把握したり、助けてあげることができる。 差し迫ったリスクの診断もし自分の子どもが、自殺願望を持っていると認めたら、あなたにとっても子どもにとっても、居心地の悪い状況となるであろう。一番大切なことは、冷静さを保つことである。子どもが話したいことをすべて聞き、真剣に取り扱い、気持ちを真摯に受けとめるべきである。子どもの自殺計画の深さを判断しなければならない(方法、時刻、場所など)。より具体的で、実現可能な計画であればあるほど、危険性は高い。リスクは、以下の要因により求められる。危険性+実現可能性+時間具体性=リスク もしあなたの子どもが、自殺したいという気持ちをあなたに語ることに気が向かないようであったら、彼が一緒に、その気持ちを語れる相手を探すべきである。例えば、おじやおば、祖父母、近所の人、宗教者、友人、スクール・カウンセラー、セラピストなど。…話ができて、心が平静になれる誰かを選ぶことが良いだろう。 自殺のチェックリストあいにく、自殺のチェックリストなどはないのだが、以下のような危険性の要因に注意しながら、自分の子どもが自殺をしないように気を配るべきである。
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