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Vol. 14, No. 5, May 1998
1. 覚せい剤乱用が増加
2. どうやって子どもの自尊心を育てるのを助けるか

覚せい剤乱用が増加

 全国のキャンパスで、大学生による覚せい剤乱用がますます増加している。ウィスコンシン大学マディソン校の学生がインターネットを使って行った非公式の研究によれば、いくつかのキャンパスには覚せい剤の闇市場があり、学生は$5‐6を支払って覚せい剤を得ている。学生の中には、覚せい剤を押しつぶし、コカインのようにかいでいるものもいる。

 覚せい剤は、注意欠損障害(ADD)の治療のためにのみ認められた薬である。

 薬品のメーカーのノバルティスは、去年の春、数万人もの医師と薬剤師に、覚せい剤乱用についての情報を送り、警鐘を鳴らした。

 「大学生にとっての覚せい剤は、勉強の助けとして、コカ・コーラやコーヒーと同様にポピュラーになっている」とクリス・ジョンソン(ウィスコンシン大学マディソン校2年生)は報告する。



どうやって子どもの自尊心を育てるのを助けるか

 親や専門家は、どうやったら、子どもが自分自身の教育、余暇、及び全体の幸福に対して責任があることを教えられるだろうか。ロバート・ブルックス博士(ハーバード医学部助教授)によれば、大人は、子供の自尊心を促進することによって子どもを助け得る。そして子どもは、自分の経験に対して責任感を持てるようになれば、さらに大きな自負心を持つことができるだろうと言う。

 多くの子どもは、自尊心を持っていない。子どもたちの考え方は「私はそこに行かなければならない。私はこれをしなければならない。私は宿題をしなければならない」といったふうである。彼らの成功や自負心にとって重要なことは、自分の行動に個人的な利害を持つことである。ブルックス博士は、自負心を促進するため3つの提案をしている。

誤りを犯す自由を与えること

 感情の障害物の1つは、子どもが誤りを犯す自由を持っていないことである。ブルックス博士は、大人が、間違いをすることを認め、間違いの性質について語り合うことを望んでいる。恐れ、脅し、及びそれが人々に与える性質について話すべきだとしている。彼によれば、それは、感情の発達及び新しいものを試みることを促すそうだ。

 また、ブルックス博士は、子どもが誤りを犯したとき、なにが適切な行動であるのかを質問することを推奨している。「我々は、誤りを侮辱するべきか、あるいは、それらを笑いものにするべきか」。子どもが「ノー」と答えたときがチャンスだ。その後のオープンな討論が、誤りが正常で、そして、学習の一部であると子どもに教える。

 ブルックス博士は、自尊心を持つ子どもは、失敗を敗北というよりむしろ学ぶための経験であると考えているということに注目している。失敗を敗北と考えてしまう子どもは無力感を持ってしまう、と博士は指摘する。それゆえ、それらの誤りは、悪い形で現れてくる。「彼らは、道化になったり、弱い者いじめをしたり、ドラッグを乱用したり、自己破壊的になる。それは、まさしく無力感を学んでしまう過程だ。すなわち、なにをやっても、ものごとが順回転してゆかないとの感情を持ってしまう」。

貢献すること

 自尊心は、自分自身が価値ある存在と認められている、との感情から生じる。「多くの児童や思春期にある子どもは、不適当さの海で溺れている。彼らは、自分が有能ではない、と考えてしまう」とブルックス博士は言う。「世界中のすべての子供は、少なくとも1つは能力を発揮できる分野を持っており、自信の源となる1つの領域を持っている」。能力を発揮できるその分野を発見し、加えて、子どもが貢献するための方法を提供することは、子どもたちの自尊心を育てるのに役立つ。「貢献しているという感情は、非常に強力である」と博士は言う。

 毎日茂みに座りこみ、学校に行くことを拒絶した少年を、博士は扱ったことがある。その少年は、学校より茂みが好きだと言った。「私にとっては、茂み対学校の討論をするか、彼の得意分野を見つけるかの選択があった。そこで、私は、彼に何が好きかを尋ねた」。

 その少年は、ペットの犬の世話をするのが好きだと言った。まもなく、学校の校長は、彼に学校のペットのウサギを世話をするよう勧めた。「何も貢献するものを持っていない、と考えたこの子どもは、ペットの世話をすることについてマニュアルを書いた」と博士は言う。「学年の終わりまでに、この子どもは、学校のすべてのクラスで講義をし、そして、彼は、もう茂みには興味がない、と私に告げた」。

選択肢を与えること

 自尊心を促進するための第3の戦略は、選択肢を与えることである。「何にでも、選択肢があり得る」ということを、博士は指摘する。

 「何ごとも、決定次第である。ある論文によれば、青いインクか黒いインクの好きな方で書いてよいとすると、子供たちは、指示したもの以上に書いてくる。」

 他人が、子どもの行動を常に決定するならば、子どもの責任感は発達しないであろう。年齢に適した選択肢を与えれば、子どもたちは、実験をし、間違いをし、そして学ぶのである。




The Brown University Child and Adolescent Behavior Letter, May 1998
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Source; The Brown University, Adolescenet Behavior Letter.
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