ニューヨーク州社会保険省では、募集した12歳から18歳までの99人を対象に肉体的虐待に関する調査を行った。彼らは年齢、性別、人種、収入は同程度だが虐待は受けていない99人の青年と比較された。調査員は面談を行い、青年とその親たちにとっての精神病理学的リスク要因を測った。

　この調査によって、肉体的虐待は、鬱病や行動異常、薬物乱用へのリスク要因に加えられた。

　「この調査結果で強調したいことは、精神衛生や虐待防止のために、肉体的虐待を受けた青年識別は重要であること」と著者は結論づけている。

家庭内の怒り

　おそらく、 ジャバウォッキー法を説明する最も良い方法は、例を示すことだろう。カップルが、いつもより高い電話代の請求書を議論しているとしよう。男性は、女性のカリフォルニアに住む親友への電話の長さで非常に困惑している。女性は、電話以外で節約をしており、遠距離電話は自分にとって娯楽の一形態と考えている。彼女の言い分は、男性は釣り道具に金銭を使い、これは週に１度の遠距離電話より高くつく、というもの。その男性は、釣りが家族を養うのに役立つことを指摘する。

　このような言葉のやりとりは、あっちに行ったりこっちに行ったりする。議論が電話請求書から個人的なものにシフトしていくうちに、声は大きくなってゆく。その議論が更に加熱されていくので、カップルの息子は、緊張する。

親しんだものに聞こえる？

「ジャバウォッキー」

　議論のどこかで、家族の誰かが、コードとなる言葉（ジャバウォッキーのような）を呼ぶことができれば、議論はしばらく休止する。それを、「終了」の命令を意味する言葉と考えたらよい。賢明な家族は、静まる空間と時間をとり戻し、落ち着くことができる。

　この計画の実行により、その家族は、冷静になるために必要とされる時間の量を確立する。ある家族は、すぐに熱くなり、すぐに落ち着く。またある家族は、遅いボイラーのようにゆっくりとであり、もとの議論に戻ってくるのに2−3時間かかる場合もある。原則のひとつは、全ての家族が、冷静になった後で、再び話題を検討することに合意することである。

問題処理

　他の問題は、現実のコンプライアンスと関係がある。家族の何人かは、ジャバウォッキー法に言葉では同意するものの、実際には、議論をやめることを拒否するかもしれない。そうであれば、議論は中断しない。一方の人が話し続けるならば、議論から逃れることは、とりわけ難しい。

　この問題を制限する方法の1つには、前もって、最も無視しそうな家族に頼むことである。家族全員がその１人を選び抜けば、その家族が規則違反する可能性は少なくなる。家族が、行動を予測し得るのを好まないこともある。家族全体が「母は話し続けるであろう」と述べているとき、母親はそのとおりにしない可能性がある。

　この計画が実行できない他の場合は、ある話題についてのコミュニケーションを拒否する手段に、ジャバウォッキー法を使うことである。例えば、車の購入についての話題が出るたびに、誰かが「ジャバウォッキー」と言い出す。

　これが起こらないことを保証する最も良い方法は、前述と同じ手続きを使うことである。最もこの方法を悪用しそうな人に頼むことである。実際に行動する見込みは、相当に減るであろう。

子どもが怒りを扱うのを助ける

　まず子どもに怒りが生まれてきたいきさつを、鮮やかに示させることからスタートする。その時の情景、音、できごとについて、できる限り多くの詳細な情報を聞き出す。そして、できるかぎり子どもをリラックスさせる。

　親：エイミー、私の言うことを注意深く聞きなさい。私の言うことに集中して、他のことはしばらく忘れなさい。スミス先生との問題を起こしたクラスに、戻ったことを想像しなさい。あなたの心に教室を描きなさい。壁や、あなたのクラスにある全てのポスターを見なさい。そして、その日にあなたが行ったことを思い出しなさい。あなたがその時感じた怒りを、全て感じなさい。その場面にとどまり、ちょうど、あなたがクラスにおいて感じたように感じようとしなさい。その場にきたら、指を動かして私に知らせなさい。（著者註−これは、子どもが怒っていると実際に感じていることを確認する行動の徴候を見るために、良いアイデアである。）「今、私はクラスにいる」と考え続けなさい。しかし、落ち着いて。混乱するかわりに、更に穏やかになろうとしなさい。怒り狂うかわりに、刺激されるかのようにただ感じることを働かせようとしなさい。あなたが自分を鎮められるまで、そのように働かせ続けなさい。あなた自身が穏やかになることができるとき、再びあなたの指を動かしなさい。

　通常、子どもは、短い時間内に相対的に平穏の状態に達することができる。いったん子どもが指を動かしたならば、それは、彼女を連れて帰る時間である。シンプルに「はい、目を開けて」と言うだけでよい。次に、自分を鎮めるために役立ったものを尋ねる。子どもが自分を鎮めることができたならば、彼女は、合理的に考えているはずである。その演習がうまくいかない場合は、落ち着こうとしている間に、場面を想像し続けることを子どもに奨励して、再びそれを試みる。

　REIを完成した後で、子どもは、落ち着くことを可能にした思考をあなたに告げることができる。前述のシナリオから生み出されたであろう、落ち着くことを可能にした典型的な思考により、「私はスミス先生と起こした問題のようなものは嫌いで、もうしない」と言うかもしれない。

　いったん、その子どもが落ち着くことを可能にした思考を告げたならば、それを書き留める。1日に何回か、この精神的想像の訓練を実践し得る。この技術は、子どもがさらに生産的な方法を用いて、精神的に難しい状況に対処することを可能にする。この技術を規則的に実行することは、より前向きに怒りを扱うのに重要である。