CONTENTS HOME
●HOME●
●図書館●
●タイトルへ戻る●


NEWS LETTER HEADER
Vol. 14, No. 11, November 1998
1. NASPが効果的子育てについてのガイドを出版
2. 思春期の犯罪者:かれらはどこから来て、どこに行くのであろう

NASPが効果的子育てについてのガイドを出版

 メリーランド州べセスダにある全国学校心理学者協会(NASP)は、『効果的子育て:家族へのサポート』を出版した。このガイドでは、家族や学校が、生徒の欲求に応えられるように協力しながら、破壊的な行動を防止する方法を研究に基づき提案している。このガイドは、オハイオ州コロンバスにある効果的規律センターと共同で開発された。


このガイドを入手するための連絡先:Victoria Stanhope, NASP, 4340 East West Highway, Suite 402, Bethesda, Maryland 20814; (301) 657-0270, ext.223.



思春期の犯罪者:
かれらはどこから来て、どこに行くのであろう


Thomas j. Cottle, Ph.D.

 テレビニュースでは、「4歳の子どもの前で妻を殺した上、自分にも銃を向ける」といったような恐ろしい話を、毎日のように伝えている。「ひどい」、と我々は同情を持って言うことになる。「その子どもは何を考えただろう? こんなことをどうやって克服して行くのであろう? かわいそうな子どもは、どうなってしまうのであろう?」

 今、12年先のことを考えてみよう。法廷に立つ16歳の男子を想像してみよう。彼は、「俺は何も気にはしない」と叫ぶ、特徴的態度を取る。この時点では、我々は、彼を同情を持っては見ず、心的外傷を持つ患者とは考えない。それどころか、精神病質者、暴漢、冷酷な動物、または悪の具現者と見なす。「ひどい」、と我々は、今度は怒りを持って言うことになる。「16歳にして、腕の長さと同じくらいの犯罪リストを持つことになった。いったい何が悪かったのか?」

 アメリカで最も危険なのは、どこに行くともなくぶらついている16歳の少年でも、銃に手が届くということを認識すると酔いがさめるということである。彼は、飲酒できず(法律上は)、軍隊にも行けない。しかし、運転でき、退学することもでき、機会や傾向、欲求さえあれば殺人もできる。

 我々が、犯罪者について、その年齢に関わらず何かをしなければならないということは明白である。彼らは、個々の人に対してだけでなく、社会の秩序に対して危険をもたらす。しかしながら、何をなすべきかの議論は結論に達しない。今年マサチューセッツ、ケンタッキー、アーカンソーで発生したような校内殺人があるたびに、我々の議論は盛り上がる。若い犯罪者に対する我々の怒りは、時として、年少者の司法制度、判決の方法、重大な犯罪の場合の処罰についてを、我々に再考させる。

 この議論は、「大人であろうと13歳の少年であろうと犯罪は犯罪である」とする派と、「殺人やレイプを犯した少年には何か問題があったに違いない」と考える派の間で揺れ動く。確かに、「この子どもは未熟で、未発達で、無視され、虐待を受けてはいたが、悪くはない」との議論はある。恐らくは、「彼は若いので、回復するかもしれない」と。更に、「刑務所とは、彼の怒り狂った衝動を永久に活気づけ、まだ可能性のある青年を永遠の犯罪者としてしまうのではないか」と疑問を投げかける。

 社会がその若い犯罪者をどう扱うかは、社会が彼らをどう認識するかによる。悲劇的だが、犯罪は、心的外傷をもつ子どもの、初期の傷への反応のうちの1つである。彼らの痛み、屈辱、恥の念に触れていくのは大変なことである。それらは、悪いことをした感覚というより、悪いということを知っている感覚から発生している。

 何か対策を打たねばならない。危険な状態になりうるすべての子どもたちに「対して」ではなく、すべての子どもたちの「ために」。子どもにモラルがないのであれば、それを産む状況も同様にモラルがない。危険な状態にある子どもの概念は、社会の不道徳の概念を測るものである。子どもの問題がそこらじゅうで起こるとき、我々は、単純に哲学的姿勢をとる。しかし、犯罪が時代を超えて続くことは、病理学及び不道徳がこの状況を助長していることを我々に示す。

 心的外傷は、めったに現れない。我々は、その醜い恐ろしい反響のみを見る。



Thomas j. Cottleは、社会学者であり、ボストン大学で臨床心理、特殊教育を実践している。
著書:Hardest Times, a study of long term unemployed men (W.W. Norton & Company Inc. (800) 23-4830). 連絡先: (617) 566-6426.



The Brown University Child and Adolescent Behavior Letter, August 1998
Reproduced with permission of Manisses Communications Inc,
publisher for subscription information contact Manisses at:
208 Governor St Providence, RI02906 USA
Phone 1-401-861-6020
Fax 1-401-861-6370
e-mail: ManissesCS@bdol.com


Source; The Brown University, Adolescent Behavior Letter.
Copyright (c) 1996-, Child Research Net, All right reserved