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Vol. 19, No. 8, August 2003
1. 離婚に伴う転居が子どもに与える影響
2. 行動危険因子とステロイド使用の関連性

離婚に伴う転居が子どもに与える影響

 離婚後にどちらか片方の親が遠い場所へ引っ越すことは子どもの精神的、また身体的な健康に影響を与える。研究者は片方の親が離婚後遠くへ転居した経験のある大学生は離婚後も両親が1時間以内のところに住み、遠くへ行かなかった大学生に比べて、身体的な健康、生活への満足、そして個人的、感情的なコントロールについて自分を低く評価しがちであると報告した。こういった良くない影響は親権をもつ親とそうでない親のどちらが転居したかに関係なく発生した。またこの結果は、親権をもつ親が生活を改善すると信じる場所への転居は、子どもにとっても有益であるとする法的な推定を覆す結果になったと研究者は結論付けた。

行動危険因子とステロイド使用の関連性

 マサチューセッツ州ベルモント、マクリーン病院の研究者らが行った研究によると、若い男性や少年たちに見られるある種の行動特性が彼らを蛋白同化−男性ホルモン・ステロイドの違法な使用に傾かせるという。研究は蛋白同化ステロイドを用いる男性に子ども時代と青年期に共通してある種の特徴があることを示唆した。ステロイド使用前においてこれらの男性は、ステロイドを一度も使ったことがない者と比べて、自分の身体的外見についての自信が持ちにくく、子ども時代の問題行動(規則を守らない、当局と問題を起す、違法な薬剤を用いる)が報告されている場合が非常に高かった。
 貧弱な身体のイメージと青年期の行動障害が組み合わさって、少年たちを後に男性ホルモン・ステロイドの使用に走らせる危険性を高くしているようだと、マクリーン病院生物学的精神医学研究室々長ハリソン・ポープ医師は述べている。
 研究者らはマサチューセッツ州とフロリダ州で重量挙選手93名について調べたが、48名が少なくとも2ヶ月間蛋白同化ステロイドを用い、45名はステロイドを服用したことはなかった。被験者らは子ども時代の経験と心理社会的危険因子に関する質問に答えた。行動障害と貧弱な身体のイメージに加えて、ステロイドを使用した者は父親との関係がよくないことも報告している。父親と息子の難しい関係が、男性が良い身体イメージを形成できないことと何らかの関係があるのではないかと我々は考えるが、この現象を理解するには更なる研究が必要だと、ポープは言う。
 蛋白同化−男性ホルモン・ステロイドは大気分障害症候群、依存性症候群を引き起こしたり、他の違法薬剤使用へ走らせるなど精神医学的マイナス効果をもたらすことがある。また肝臓に障害を生じ、前立腺がんの危険を増し、コレステロール値を上げることもある。


The Brown University Child and Adolescent Behavior Letter, August 2003
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