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Vol. 21, No. 1, February 2005
1. 厳しい子育ては若者の暴力性を高める
2. 「イマジナリィ・フレンド」の存在は、就学後の子どもにも見られる

厳しい子育ては若者の暴力性を高める

 独立した13名の専門家から成る米国国立健康研究所(NIH)研究班の報告によると、一貫したしつけや必要なときにうまく手を差し伸べることを心がけた子育ては、若者、特に男の子に見られる暴力的な行動を和らげることができるが、脅したり厳しい罰を与えたりするしつけは、子どもが暴力的な行動に走る危険性をさらに高めることがあるという。また、NIH研究班が行った関連文献の大規模な調査の結果、「少年院、海兵隊の訓練キャンプのようなキャンプ、その他の"強硬"プログラム」は、多くの場合、暴力問題を悪化させるということがわかった。研究班は青少年犯罪者の逮捕や家庭外での収容処置を減らすためには、家族機能回復療法と多組織的療法という二つのプログラムが効果的だと強調している。この二つのプログラムは、社会への適応力を高めること、家族との関わり合いを強めることに焦点を当てた長期療法である。NIH研究班の調査結果は、2004年10月、若者による暴力およびそれに伴う不健全な社会的行動の防止についてのステート・オブ・サイエンス会議で発表された。

「イマジナリィ・フレンド」の存在は、就学後の子どもにも見られる

 「イマジナリィ・フレンド(想像上の友達)」は、これまで幼稚性や適応障害の兆候とされ、子ども達は学校に入る年頃になると、「イマジナリィ・フレンド」と遊ばなくなると考えられていたが、学術誌『Developmental Psychology』に掲載されている研究の中では、このような従来の考え方に反する結果が発表されている。この研究では、152名の就学前の子ども(3歳から4歳)のうち100名について、彼らが6歳から7歳になる小学校低学年までの3年間、追跡調査を行った。子ども達やその親達との面談の結果、「イマジナリィ・フレンド」と遊んでいた(もしくは、おもちゃなどを擬人化して遊んでいた)子どもは、6-7歳で31%、3-4歳で28%と、年齢にあまり大差がないということが分かった。また、男の子に多く見られたのは、架空の友達と一緒に遊んでいる姿よりも、想像上の役柄を自ら演じる遊び方だった。全体として、7歳までの子どもの65%が、「イマジナリィ・フレンド」と遊んだ経験があった。そのような役割を演じる遊びが感情理解、自己認知、個性などとどのような関わりがあるかを調べた結果、役を演じて遊んだ経験のない子どもは、感情の理解に乏しいことが分かった。


The Brown University Child and Adolescent Behavior Letter, February 2005
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