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はじめに
 神戸の中学生による殺人事件をはじめとして、昨今の子どもの生活環境、教育問題、学校改革論議など、「教育」をめぐる社会一般の関心は、一時の波紋というにとどまらず、持続的な流れを形成しているように見えます。  こうした社会的関心に応じて、CRNでは「子ども」問題に関する論議、意見形成の場を一般に提供すべく、『メール「対論」』コーナーを開設することになりました。  『メール「対論」』コーナーは、複数の「対論」者の提供する知見とその問題意識を核として、「子ども」にまつわるあらゆる事象に関し、論議のフィールドを広げることを目的に、一般社会人も参加できる双方向的な「対話の場」として、開かれています。  「子ども」問題にかかわる一般の関心の高さから感じられるのは、私たちにとって「子ども」の問題が、ほんとうは「育児」や「教育」といった限られた分野の問題ではなく、むしろ時代や社会を映し出す鏡であり、さらには「子ども」について語る私たち自身の'自画像'ではないのかということです。  そして「子ども」の問題を語ることが時代や社会を語ることであるならば、そこにはこの時代のあらゆる問題が集約されているといっても過言ではありません。  『メール「対論」』では、「子ども」問題の底流にあって、複雑にからみあって見えにくくなっている現代の社会的な病理現象についても、「対論」者や一般参加者の対話のプロセスのなかで、思考錯誤を繰り返しながらそれらをゆっくり解きほぐしてゆきたいと考えます。さらには、こうしたプロセスの中から、知らないうちに抱えこんで見えなくなってしまっている、私たちひとりひとりの在り方の問題が思い起こされ、わたしたち自身を振り返るきっかけになればと願います。


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