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 日本赤ちゃん学会未来を育む赤ちゃん研究
日本赤ちゃん学会とは?学術集会国際シンポジウム公開シンポジウム学会誌

 第6回学術集会 シンポジウム3
 「絵本で育つこころ−赤ちゃんも大人も−」

 平成18年11月12日 <オーガナイザー> 竹内 恵子(福井大学教育地域科学部)

9:00〜

 絵本を通した子どもの発見と絆の形成

秋田 喜代美(東京大学大学院教育学研究科、NPOブックスタート理事)

 2000年の日本でのブックスタート開始以来、絵本で子育ての理念は着実に広まってきている。私はその立ち上げに関わると同時にいろいろな場で赤ちゃんと絵本の活動に関わらせていただいてきた。幼児のみならず乳児にも、絵本が認知的・社会的に豊かな経験を与えることは明らかである。しかしだからといって、赤ちゃんに絵本を与えればよいのだと即結論づけるのは危い。赤ちゃんにとって良質の絵本とは何か、どのような関わりが赤ちゃんの発達のために必要かが実証的に議論される必要があるだろう。乳児と絵本との関わりを学習という視点からだけ論じるのは危険である。また絵本は赤ちゃんだけではなく赤ちゃんが絵本に関わる姿を通して子育ての楽しさや子どもの発達を肌で感じることで親となっていく機会を与え、また親だけではなく、赤ちゃんと絵本との関わりの活動に携わる大人達にとって、子縁機能による地域の共同体再生、絆をつむぐ機能も果たしてきている。本シンポジウムでは、赤ちゃんと絵本の関係を遊びと絆という点から考えてみたいと思う。

 保育・子育てに「絵本」を活かすには

木村 美幸((株)フレーベル館 キンダーブック企画推進部 第2編集部)

 乳幼児の健やかな成長に欠かせない絵本、とりわけ月刊保育絵本は、幼稚園・保育園等で保育活動に十分活用されることを考慮し、子ども達の発達段階に即して作られている。
 保育現場であるいは家庭で絵本を大いに楽しんでもらうためには、「絵本」が絵や文を描く(書く)人の深い愛情や感動を表現したものであることを理解することから始まる。また、絵本を読み聞かせる大人と子どもの想像力が合わさってイメージの共有化ができ、信頼関係が生まれてこそ、双方共に充実した絵本の世界が体得できるといえるだろう。
 保育絵本の編集方針として、我々は「基本的生活習慣」「やさしさと思いやり」「好奇心の芽生え」の3要素を支柱にして絵本作りに取り組んできた。そうした「生きる力」を育む保育絵本の歴史と存在意義、活用方法に触れつつ、絵本に隠されたメッセージ、絵や文の魅力について、作り手の立場からご紹介したい。また、大人と子ども双方の想像力を駆使した「手作り絵本」の作り方のコツや絵本作りの醍醐味についても触れたいと思う。

 ボランティアから見た福井市のブックスタート

坪井 祥子(ふくい子ども文庫連絡会)

 「『ブックスタート』という名前はついているけれど、絵本の読み聞かせをお勧めする話ではないのよ。」これが、お母さんに話しかける第一声です。本や読書を前面に出さないこと、絵本を渡して赤ちゃんに読み聞かせをしてそれでよしとしないことが、福井のブックスタートの特徴です。お母さんに「絵本を読んであげなければならない」とのプレッシャーを掛けないように配慮するからです。私は、気持ちのはやるお母さんに「絵本を親子で楽しみましょうね。4歳以降で充分よ。」と付け足すこともあります。
 図書館員とボランティアが、お母さんの悩みに耳を傾け、抱っこや言葉掛けの大切さを伝え、子育てへのやわらかな声援(エール)を送るのが福井のブックスタートです。
 スタートから丸3年を経て、9割という高率で利用され2回目の利用者も多く好評ぶりが窺われる福井のブックスタートの現状を、3年分の失敗談も交えてご紹介します。

 親子で旅する絵本の世界−場面の分析から捉える親子でいっしょに絵本を読む意義−

横山 真貴子(奈良教育大学教育学部)

 近年子どもたちと絵本の出会いの場が広がっている。家庭の他にも、保育園や幼稚園、図書館や地域の文庫、さらには絵本を中心に据えたイベントも、公民問わず多彩に主催されるようになった。本報告では、こうした状況の中、改めて家庭で親子がいっしょに絵本を読むことの意義を考えてみたい。
 私たちは、発達心理学の立場から、幼児期の子どもと母親が家庭でいっしょに絵本を読む場面を分析してきた。すると、子どもに最も近いところで生活する親(大人)ならではの役割が見えてきた。母親は、子どもと絵本を読みながら、子どもの興味や関心に思いを寄せ、子どもに日常生活と絵本世界を結びつけていた。「いま、ここ」を越えた絵本世界を、子どもが生きる現実世界に引き寄せていたのである。絵本世界と現実世界を結びつけ、2つの世界に橋をかける。そして、よき案内人として子どもと共に絵本世界を旅する。そうした親子の姿を実際のデータから浮かび上がらせたい。

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