通常の文章と異なり、メールでの文章は、メール独自の文章特徴がみられた。そこで、メールの文章にはどんな特徴があるのかを調べた。
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1. |
句読点 句読点が少ししか使われていない。通常、句読点が入りそうな文節や文章の終わりには、絵文字が使われたり、スペースが使われたりしている。特に、メールの最後の文章には句読点は使われていない。 |
2. |
改行 個人によって文章の切れ目や、話の内容の切り替わりの時に改行を行っているが、ほとんどの場合、改行は行っていない。
話の切り替えの代わりに絵文字を挿入している。 |
3. |
漢字・平仮名・カタカナ・促音・拗音等 平仮名を使うことが多く、漢字が少ない。また、通常平仮名で書かれる言葉をカタカナで書いていることが多い。
促音や拗音等を頻繁に使うことが多く、通常は表記しない母音を小さい文字で書いていることが多い。また、「―」や「〜」のような伸ばしが多くみられる。
こうした言葉の使われ方は、感情を伝えるための表現方法の1つだと考えられる。
例)だったんだろうぉなぁ〜
増えていくぅ〜
そぉだよねぇ
てきとぉでいぃよね |
4. |
接続詞 「さて」、「ところで」のような接続詞が使われていない。通常接続詞が使われる部分には、接続詞の代わりに絵文字が使われている。 また、主語の後にくる「は」、「が」等も省略されていることが多い。 |
5. |
誤字脱字 同音異義語に関しての誤字がみられた。
例)「可愛いかった」
「可愛い」はそもそも当て字であるが、「かわいい」であれば「可愛い」、「かわいかった」は「可愛かった」と送り仮名をふるのが通常である。
「可愛いかった」だと「かわいいかった」と読めるが、送信者、受信者ともに「かわいかった」と表記したかったと思われる。
このことから、メール文章の漢字変換をどのような方法で行っているかが推測できる。携帯のメールでは長い文章を一度に漢字変換すると、誤変換が起きやすい。そのため単語ごと、節ごとに変換させることで誤変換をしなくてすみ、早くメールを打つことが出来る。
つまりは「可愛いかった」も、「可愛い」+「かった」と打っているのだろう。また、携帯のメールの機能として、1回使った言葉は2回目以降、候補文字として表示される。そのため、間違った言葉であってもずっと気が付かないで使い続けてしまうことが多いと考えられる。
ちなみに、今回の文章では「かわいくない」は「可愛くない」と送り仮名をふっており、送り仮名は合っていた。
例)漢字の変換間違い
誤「前々」 正「全然」
「お知える」 「教える」
「来て」 「着て」 |
6. |
疑問符や感嘆符 文末が「!」や「?」等の感嘆符や疑問符で終わることが多い。
メールがおしゃべり感覚で使われていることから、相手に言葉を投げかけるような文章が多いと考えられる。 また、感嘆符や疑問符は、感情表現の1つとして多く使われているのだろう。さらには、上向きと下向きの矢印の絵文字を文末に使うことにより、話し言葉の尻上がり尻下がりを表現しているようである。 |
7. |
アラビア数字と漢数字の使い分け メールは横文字の表記であるが、文中で使われる数字にはアラビア数字と漢数字を混ぜて使われている。例えば、数量を表す数字であっても、アラビア数字と漢数字の両方を混ぜて使われている。
これは、メールを打つときの変換の仕方によって現れる、メールの文章の表記の特徴であるといえよう。つまりは数量が多い場合には英数字として入力した結果アラビア数字になり、1桁の数量の場合は平仮名打ちをしたものを数字に変換しているため漢数字の表記になっていると思われる。 |
8. |
言葉遊び
絵文字や同音異義語を上手に使い、暗号と称した言葉遊びをしていることがある。
例)
今日 発表会 皆に藁 た。ハズ かった。
→「今日英語発表会あり皆に笑われた。恥ずかしかった。」
今日 部打津田根
→「今日美術部だったね」
シャトル 打津田。 津居田化ナ
→「シャトルランだった。筋肉付いたかな」
早苦 ナ木矢
→「早く注射行かなきゃ」
背景 (−1)て見た
→「背景変えてみた」
死体・・・!
→「ゲームしたい・・・!」
居間 荷物(−1) いない〜
→「今家にも親いない〜」
間あ くて買った〜井伊んだケドね!
→「まあ欲しくて買ったからいいんだけどね!」
が十 よ宇は一時辛 ストだ〜
→「ありがとう 今日は一時からテストだ〜 」
誰か私2安見を さい
→「誰か私に休みを下さい 」
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