「ながやまチーきち」イベント
チーきちオープンデー

■日時
2001年8月25日(土)11:00〜17:00

■参加者
1年生2名、3年生4名、5年生1名(全員多摩市内在住者)

■タイムスケジュール
プレアクティビティ
写真で教えて「きみのすき」・絵で教えて「きみのまち」・チーきち夢のまちづくりアンケート

11:00 開会〜ようこそチーきちへ
11:15 チーきち夢のまちづくり
12:00 昼食を楽しく
13:00 マルチシナリオの展開
15:30 今日の想い出
16:00 終了

ねらい
1.子どもの遊び・学び場の試行

子どもたちの主体的な遊び・学び場に関するアイデアやデザインのあり方を、実践を通して検討する。

2.まちと空間・社会認識

「まち」という一種あいまいな空間概念のなかに、遊びの視点をとりこみ、自らの視点で作り変えていくことで、自分たちをとりまく社会環境について一考する機会を持つ。


プログラムのポイント
プレアクティビティ

参加者には事前にプレアクティビティを行ってもらい、前日までに回収した作品や写真は会場に展示して自己紹介のときに使用した。

1.写真で教えて「きみのすき」

24枚撮りのインスタントカメラを使って、すきな場所・すきな色・すきなもの・すきな食べ物・すきな建物・すきな服・すきな人・すきな動物・すきなおもちゃ…子どもたちの好きなものをいろいろ写真に撮影する。

2.絵で教えて「きみのまち」

B4画用紙の上に、「まちが***だったらいいな」というテーマで絵を描く。

3.チーきち夢のまちづくりアンケート

すきな遊び、遊び場、こわい場所、わくわくする場所、のんびりできる場所、そしてどんなまちだったらいいかについてアンケートに答える。

11:00 開会〜ようこそチーきちへ

受付を終えると、デジカメで撮影した写真をスタッフにシールにしてもらい、自分の名札をつくる。
会場にすでに設置されていた永山地区の模型を前に、今日一日何が起こるのか、半分期待半分不安な様子が感じられた。

11:15 チーきち夢のまちづくり

あらかじめスタッフが用意したチーきちのある多摩市永山地区の模型をもとに、こどもたちの「まちがこんなのだったらいいな」をかたちにしてみた。

いろんな色の紙、いろんな色のペン、いろんな素材、いろんな道具・・・床一面に並べられた「メディアボックス」と名づけられた素材BOXから、子どもたちは好きなものを選び、好きな道具を使い、好きなものをつくり、模型の上に置いたり、直接模型に貼り付けたり書き込んだりする。

−観察−

「チーきち夢のまちづくりアンケート」(プレアクティビティ)で聞いていたい質問「あなたはまちが***だったらいいと思いますか?」をみんなで思い出す。
「もりみたい」、「おかしでできてたら」、「かっこいい」、「遊園地」、「ぜんぶあそびば」、「へんてこ」、「みどりがいっぱい」、「くもの上」、「自然がたくさん」、「機械」・・・いろんな答えが返ってきた。まちを題材に子どもたちはこんなにいろいろな発想やイマジネーションを広げていた。

12:00 昼食を楽しく〜記憶に残る食事風景〜
−ねらい−

食事の記憶を取り巻くものには、「食べ物、そのものの記憶−辛かった、甘かったなどの味覚や固かったなどの触覚」と「どのような場面で誰と食事をしたか−楽しかった、美味しかったなどの記憶による感覚」の2種類があると考えている。
今回の企画は「食事を摂る状況」に、プログラムの重点を置いた。それによって「記憶に残る楽しい食事」について考えるきっかけになれば、と思う。

−観察−

1人500円の予算で、各自好きなものを買出し(主食となるパン・ごはん類は必ず購入することを事前に子どもと約束する)。買い物リストに買うものを書き込んで、計算しながら買物を進めるが、デザートやおかしまで買って500円をうまく使い切る子どもがたくさんいた。「食べ物」に対する個々人の素顔が見えた。

買い物から戻ってくると、買ってきた食材を一つのお皿に盛り付けた。いわゆる「ワンプレートディッシュ」スタイルだが、盛り付けも自由な発想で行い、みな楽しそうだった。食事の準備ができたら記念写真をとってシールにした。
好きなものを食べながらの食事は会話も弾み、食事を通して、みんなの気持ちが少しずつほぐれていったようだ。

13:00 マルチシナリオの展開

午前中に続いて、夢のまちの模型作りをする。
外に出かけて周囲を探索したり、デジカメやポラロイドカメラで風景を撮影したり、子どもたちが「**したい!」という発想に応えられるよう、スタッフがそれぞれの対応ができるように準備した。

−観察−
用意されたビデオやデジカメなどを使って外に遊びに行く子や、まちづくりに夢中になる子など、様々であった。中には小型のハンディカメラを積んだラジコンを操作し、作られた模型の中を走ることで、無線で繋いだTVに映し出される映像を夢中で見入る子など、様々な様子が見受けられた。
いつも乗っている小田急電車を丁寧につくりこむ子、模型上の建物の装飾に没頭する子、理想の庭園を設計する子、子どもたちの様々な興味や思いが作品を通して伝わってきた。まちという土台は子どもたちが創る多様な作品を展示する方法としても有効であったようだ。

15:30 今日の想い出

最後に今日一日を振り返り、デジカメで記録した子どもたちの活動内容を、プリントアウトし、一人一人に渡した。

−観察−
一人一人が、思い思いに過ごした事で、どの子どもも活き活きとした笑顔での記録写真が多かった。また、子どもの数だけ、まちに対する思いの違いが如実に現れたことで、子どもたち自身が個々の個性を認め合う結果となった。

16:00 終了


スタッフ
ファシリテーター

烏谷正彦(慶応義塾大学)、小松原梨沙(聖心女子大学)、佐々木千枝(成蹊大学)、清水さやか(武蔵野美術大学)、田中ひろ美(慶應義塾大学)、中村聡美(慶應義塾大学)、波佐間明美(文化女子大学)、長谷川彩子、森麻子、加藤裕子

記録

峯島康之(多摩美術大学)、河村由香里

事務局・プランニング

河村智洋(CRN外部研究員)、薄田美和子(CRN外部研究員)、大門優子(CRN研究アシスタント)、所真里子(CRN)


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