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子ども学 発刊宣言



「子ども」の再発見のために

我々大人たちが、しばしば語る言葉に「最近の子どもが見えなくなった」ということがあります。 このことばの根拠としては、年々の出生率の低下によって、現実に子どもを目にすることが少なくな ってきたばかりでなく、急激な社会構造の変化の中で、これまで我々が抱いてきた「子ども像」や「 子ども観」と「子どもの実像」との間に大きなズレが生じてきたことが指摘されています。

 「『子ども』は近代において発見されてきた存在である」ということばは、フランスの歴史学者フィ リップ・アリエスの有名なことばですが、それをもじっていえば「『子ども』は現代において再び消 えた」ということもいえるのではないでしょうか。
このような状況下において、「季刊 子ども学」では、現代の子どもたち全ての営みを対象とし、新 しい視点から「子どもの再発見」を目指していきたいと考えます。そしてその際の「新しい視点」とし て、以下のような編集方針を掲げたいと考えます。

(1) 子どもをめぐる今日的なテーマを毎号設定し、さまざまな学問分野を自由に横断して論じながら、 その諸相を浮き彫りにしていく。
(2) 今日の細分化された学問の壁を超えて、グローバルな人間科学(ヒューマン サイエンス)に基づ く総合的な学問としての「子ども学」(KODOMO Science)を追求していく。
(3) 読者に開かれ、相互的な議論が可能となるエキサイティングで分かりやすい研究誌を目指す。

 子どもは我々大人のかつての存在であったという意味で「過去」であり、我々の次世代という意味で 「未来」であります。
「季刊 子ども学」が、子どもをめぐる学問間、かつ人間の「過去・現在・未来」の豊かな対話の場と なることを期待し、かつ読者の方々の積極的な参加とご支援を心よりお願いしたいと存じます。

ベネッセ教育研究所
「季刊 子ども学」編集室


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