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母子へのまなざし

 第2号の特集テーマは「母子へのまなざし」、母子関係についての特集だ。女性の意識の変化、子育て環境の変化という時代の波の中で、母子をめぐっては多様な問題が浮かび上がっている。とくに大きいのは子育て環境の整備の問題だ。女性は子どもを育てるべく存在するという母性神話はくずれつつあるが、まだそれに代わる新しい子育てシステムが確立されるには至っていない。女性の就労状況は大きく変わったのに、子育ては昔以上に母親ひとりにいっさいが任されているのが現状だ。

 そのような新しいシステムづくりの遅れの中で、母性神話を崩すことを拒んでいる文化的な力についてさまざまに論じられるようになった。また、一方では母親たちの育児機能の低下がもたらす問題点についても指摘されるようになった。子どもの健やかな成長にとって、親子の豊かな交流は欠かせないものである。女性たちの現状に即した子育て環境を整えるとともに、社会全体の育児機能を低下させない方法を考えなければならない。どうすれば社会が母性神話から解放されるのか。母親が子育ての場面で真に担わなければならない役割は何なのか。本特集では、医学者、心理学者、社会学者、動物行動学者など、さまざまな分野の研究者が母子の織りなす宇宙を解明していく。

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