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テスト社会と子ども

 第3号では、お茶の水女子大学の耳塚寛明氏の監修により、「テスト社会と子ども」を特集した。世間ではテスト社会への悪口は山のように並べられているが、テストのどこがどのように悪いのかはあまり明確にはなっていない。にもかかわらず、子どもの生活にゆとりがないという社会現象のすべての責任をテストが負わされている。テストの周辺にはつねにそのようなステレオタイプの言説が渦巻いている。

 本特集では、あえてそのようなイメージ批判にストップをかけ、テストが生まれるに至った必然性と合理性を直視し、テストの効用について目を向けた。何ら社会的な価値がないことが明治以来、繰り返されてきたというのは考えにくいことである。学業は本来正当に評価されるべきものであり、子どもたち自身もそれを望んでいる。もしも、テスト社会を改革していく気が本当にあるのなら、当然テスト社会のリアルな姿をとらえることから始めなければならない。人々が現在受けている恩恵についてきちんと押さえておくことで、テスト社会の行方についてもその方向性が見えてくる。

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