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Vol. 15, No. 4, April 1999
1. 10代の自殺を監視しなさい
2. モラルのある子どもを育てる

10代の自殺を監視しなさい

 最近の研究によると、思春期の自殺者の親は、しばしば精神衰弱や薬物乱用のような警告徴候を見落としているという。ドリュー・ベルティング博士とボール・ステート大学の同僚は、自殺未遂を起こしたティーンエージャーの精神医学的特性を調査した。これは、ティーンエージャーが自己報告した症状と、親へのインタビューから得た情報とを比較したものである。調査の結果、親は子どもの精神衰弱を著しく過小評価しているということが分かった。自殺未遂者の57パーセントには精神衰弱があったが、それに気づいた親はわずか13パーセントにすぎなかった。さらに研究者は、青年の自殺未遂者の47パーセントが非攻撃的行為症候群であることを発見したが、自分の子どもが問題を持っていると考えていた親は、わずか13パーセントだった。



(American Academy of Child and Adolescent Psychiatryからの転載。詳細情報はMaria Pashoまで。電話番号(202) 966-7300  E-mail: mpasho@aacap.org.)



モラルのある子どもを育てる

マーゴット・スターン・ストーム

 最近友人から、いかに子どもをモラルのある子に育てればよいかという質問を受けた。彼女は、若い娘の母親である。私が集中して物事を考えようとするとき、向き合う人が彼女である。私は彼女から質問を受けたことを、光栄であると同時に、挑戦を受けたのだと思った。「モラルのある子ども」とは、公平や正義の問題に対し関心をもち認識を示す子どものことであり、そして、他の人間とのそれらの問題との関係について深く考える子どものことであるとするならば、彼女は、正義感のある母親たちに問題を呈したことになる。

 私が、自分の子どもが世界のことを学ぶ方法について考える際、そこにはまず、テレビに対する信頼があった。ロジャー氏は、近隣への毎日の訪問によって、私の息子に、親切、公平、及び礼儀正しさなどを実践しているコミュニティを教えた。アダムとその姉妹たちは、規則正しくセサミ・ストリートへ訪れた。それによって、自己、他のもの、類似のもの、差異についての教訓を与えられた。

 同様に私は、小学校入学前の先生を信用している。子どもたちに真剣に質問することによって、私の子どもの可能性を引き出した。それらの質問によって、子どもは真実の世界に専念し、そして、民主主義の価値を促進する方法がモデル化された。それは、Selma Frieberg著『The Magic Years』やHaim Ginott著『Between Parent and Child』によって補強された教訓である。それらは、小児期についての私の考え方を、物理的変化から、知的、道徳的成長の可能性へと導いた。Freibergは、子どもを、ピーカーブーなどのシンプルなゲームを通して学ぶものから、認識的、道徳的な発達理論へと導き、そして子どもの発達にさらに深く注意するよう、私に奨励した。

 息子が思春期に入る時まで、私は中学校で教えており、そして、ハーバード大学教育学大学院で道徳教育を研究していた。私は、ホロコーストについてのセミナーに初めて出席した。各参加者は、Ginottの別の著書を印刷した手紙のコピーを受け取った。校長は、ホロコーストの生存者で、毎年の年度始めには、その手紙を彼のスタッフに送った。そのなかで、彼は次のように警告した。あなたは博学な奇形児、成熟した精神病質者、教育されたEichmannsを育てないよう努力すべきである。読解力、作文力、算術は、さらに人道的な子どもにするのに役立ちさえすれば、重要である。ホロコーストの歴史と直面することは、新しい先生に最初の約束を提示した。同じくそれは、非営利的な教育の組織であるFacing History and Ourselvesの設立につながった。教育者や学生が、歴史と倫理学とを連結させ、民主主義の社会において市民の役割を理解する一助となっている。それは、ホロコーストを引き起こした事実を教えるのみならず、青年の関心を誘発し、道徳的次元を持つ内容によってそれらの思考を拡張するのに役立っている。

 思春期は重要な変化の時であるので、若い人々は、それらのアイデアについて考える必要があり、さらにそれら自身の発達に気づき、質問し、そして不思議に思う。Facing History and Ourselvesは、学生が様々な観点から物事を学び、真実を理解し、自分と他人の意図を考察することを支援する。ある学生が書いたものの中に、「私は、われわれのクラスのおかげで、私の声、私の道徳的な声を発見した。他のものが騒々しくするときでも、私は非常に冷静であった。そして、私が話しても良いとは決して思わなかった。今それは、全て変わった。私は、異なる人である。私は、社会的正義について多くを知っている。そして自分自身を発見した。それは、私に与えられたものではない。われわれが引き受けた質問は、他人の声を聞き、歴史や自分自身から学ぶのに役立った」とあった。

 道徳教育は、考えることを十二分に必要とする。哲学者Hannah Arendtによれば、「われわれは、重大な討論のギブ・アンド・テイクによって判断を行う機会を同じく提供しなければならない。判断することは、思考することとは異なり、他のものの存在を必要とする。他の人間の場をわれわれ自身受け入れることは、想像力を必要とする」。

 われわれは、いかに他の誰かの靴で本当に簡潔に歩くことを学生に奨励すればよいか? 1つの方法として、教育を提供することは、歴史によって通知され、それらの知識を拡張する会話においてテストされ、それらの思考に挑戦し、そして、究極的に情報に通じた動作につながる。それは、モラルのある子どもを育てるのを助けるよう、われわれに注意を払わせるプロセスでもある。



マーゴット・スターン・ストームは、the Facing History and Ourselves National Foundationの役員. 連絡先: 16 Hurd Road, Brookline, MA 02445-6919. 電話 (617) 232-1595、ファックス (617) 232-0281



The Brown University Child and Adolescent Behavior Letter, April 1999
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Source; The Brown University, Adolescent Behavior Letter.
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