小学生への介入は持続的効果を持つ |
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小学校の間ずっと子供に向けられた介入は、暴力的行動、過剰な飲酒、及び、性交を減少させ、さらに、18歳での学力を向上させるのに持続的効果を持つ。 この結論は、シアトル近郊の18の小学校に通う約600人の多人種の子供を12年間研究したものに基づく。ワシントン大学の研究者たちは、教師や親のトレーニングを含む教育プログラムを調査した。これは、米国医学協会の「小児科医学記録」(3月号)に掲載されている。 「この研究に関して注目すべきことは、結果の幅広さと、この介入が18歳まで持続的影響力を持つとした点だ。」と、この研究を指揮したデイビット・ホーキンス氏(ワシントン大学社会事業教授)は言う。 「教師がよりよく教え、親がよりよく育てることが、教室を出てからも意味があることの明確な証拠を示した。」 小学校で介入を受けた子供は、18歳の時点で、暴力的行動の可能性が19%減少されており、また、過剰な飲酒については39%減、性行動については13%減、複数者との性交について19%減、妊娠については35%減という結果となった。さらに、介入を受けた子供は、高い学業成績の平均値を記録した。 この介入プログラムは、小学校1年生から開始し、6年生になるまで続く。教師は、対話型授業、教室モニタリング、協力学習、及び、自主的訓練の技術などを学ぶために、特別なトレーニングを毎年5日間受ける。 親は、正しいことの強制、監視する方法、早期のアルコール・麻薬摂取の危険性軽減法を学ぶ。子供は、衝動の抑制、攻撃的にならずにすむ方法、他人の感情を思いやる方法を学ぶ。 研究対象の子供は、3つのグループに分けられた。第1グループは小学校にいる間中、介入プログラムを受け、第2グループは5・6年生だけに短縮されたプログラムをうけ、第3グループはなにも受けない。 第1グループの行動および学業は、第3グループより著しくよく、第2グループは第3グループとさほど変わらなかった。 しかし、介入プログラムは、全てのマイナスの行動を改善するのには成功しなかった。例えば、18歳時点で、煙草または薬物を試したことがある割合に対して目立った影響を与えなかった、と研究者は言う。 |
喫煙の育児への影響 |
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喘息、及びアレルギーのもとになる家族状況を調査員が研究した。彼らは、乳児の尿のコチニン(ニコチンの副産物)レベルを測定し、環境上の煙草煙露出を測った。同じく、コチニンレベルを母乳養育者の母乳でも測定した。 507人の乳児のうち、生後2週間の尿のコチニンレベルは、母親が喫煙した乳児が著しく増加した。非母乳で育てた乳児より、母乳で育てられた乳児の方が更に高いコチニンレベルであった。しかし、それは母親が喫煙している場合のみ(p<0.05)、統計上有意であった。尿のコチニンレベルは、母親は喫煙するが母乳で育てなかった乳児より、母親が喫煙し母乳で育てられた乳児の方が5倍高かった。 「母親は、喫煙しないよう奨励されるべきだ。喫煙により乳児が煙にさらされ、喘息、及びアレルギーになる危険を知ってもらわなければならない」とその研究者は結論づけている。 Becker,A.B., Manfreda, J., Ferguson, A.C., et al.: Breatsfeeding and environmental tobacco smoke exosure. Archives of Pediatrics and Adolescent Medicine, 1999; 153: 689-691. For reprints, contact Allan B. Becker, M.D., Children's Hospital of Winnepeg, 820 Sherbrook St., Room AE101, Winnepeg, Manitoba, Canada R3A 1R9. |