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Vol. 15, No. 11, November 1999
1. 家庭生活の質に着目する
2. 子供は仕事をすることによって、責任感を学ぶ

家庭生活の質に着目する

 子供の発育にとって、どんな家庭で育ったかは、どんな保育をうけたかよりも、はるかに重要であると、人間発達及び家族研究の専門家は指摘している。ジェイ・ベルスキー博士(ペンシルバニア州立大学ユニバーシティ・パーク校人間発達学教授)は、国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)と共同で早期保育の研究を行っている。その研究は、1,000人を超える子供とその家族を調査するという大規模なものである。

 ベルスキー博士によると、NICHD調査によって、3歳までのすべての機能に対して、家庭生活の特性が保育よりも、より強く一貫した影響を及ぼすようだとわかった。

 「強い経済力及び親の教育は、子供の発育に有利に働く。」と、ベルスキー博士は言う。 「良い影響を及ぼすかもしれない他の要素は、母親が心理上健全で、子供にやさしく、敏感で、かつ感情的に一緒にいることである。そういった親の子供は、3歳までの間に社会的、感情的、認識的機能が、経済的、心理的に健全でない家庭に育った子供より、はるかに良好なものとなる。」

出典:米国医師会。連絡先:Amy Fox, AMA, 515 Noth State St., Chicago, IL 60610. Telephone(312) 464-4843。ジェイ・ベルスキー博士の電子メールアドレス:j.belsky@psychology.bbk.ac.uk




子供は仕事をすることによって、責任感を学ぶ

 子供は、責任感を持たせることによって責任とは何かを学ぶ。時折、親は、子供に本人に関係のある仕事しか与えない。例えば、自分の持ち物を持ってくるなどである。子供に「助ける」ことを教える最も良い方法のひとつは、家族に貢献する機会を与えることである。しかし、ここで重要なのは、ごみを出すとか犬小屋の掃除など、「やさしい仕事」だけ与えるというようなことではいけない。

 以下、年齢ごとに適切な仕事のリストを示す。このリストは、けっして完全ではない。しかし、少なくとも、子供が幼いときからいかに貢献できるか親に気付かせるものであろう。

18ヶ月から3歳

  • 電気を消す。
  • 郵便受けの新聞を運ぶ。
  • 容器から自分自身のお菓子・スナックをとる。
  • おもちゃや衣服をとってくる。
  • テーブルやカウンタをスポンジで拭く。
  • 使用した湿ったおむつをおむついれに入れる。
  • 野菜を洗ったり、レタスをちぎる。
  • テーブルをセットするのを手伝う。
  • ペットにえさや水をやる。
  • 食事や遊びの後片づけをする。
  • 兄弟を起こす。
  • 家のまわりで簡単なお使いをする。
  • 食料品を片付けるのを手伝う。
  • 食料品を運ぶのを手伝う。
  • 卵を混ぜたり、トーストをつくる。
  • ベッド・メイキングを手伝う。
  • プラスチックの皿を皿洗い機に入れる。
  • サラダを作る。
  • リサイクル可能なものを物置にもって行く。
  • 家族のお祈りを主導する。
  • 自分の衣服を片付けたり、乾燥機から出してくる。
  • 信号が青になったら教える。
  • テーブルから皿を片付ける。
  • 封書に封をして切手をはる。

4-6歳

前述の仕事に加えて、
  • 食料品店で買うものを探してくる。
  • 洗濯したタオルや衣服をたたむのを手伝う。
  • 飲み物を注ぐ。
  • たわしをわたす。
  • 成分を測るのを手伝う。
  • 食品雑貨店で商品を数える。
  • 植物に水をやる。
  • 洗濯のために色物と白い衣服を分類する。
  • 掃除を手伝う。
  • 自動車から借りてきた本やビデオを返してくる。
  • ガソリンを入れる。
  • 幼い兄弟を助ける。
  • 庭に木を植えるのを手伝う。
  • 床を拭く。
  • 皿を皿洗い機に入れる。
  • 皿洗い機のために洗剤を測り、スタートボタンを押す。
  • 堆肥バケツに責任を持つ。
  • ワゴンにものをいれる。
  • 食事の計画を助ける。
  • 簡単な食事を作る。
  • 皿洗い機を空にし、皿を戸棚に重ねる。
  • 落ち葉を短期間に集める。
  • ペットを洗うのを手伝う。
  • 自分自身の昼食の準備をする。
  • よくならされたペットを散歩に連れて行く。
  • まきを運ぶ。
  • 自分自身のお金を管理し始める。

7-10歳

前述の仕事に加えて、
  • 自分で朝起きる。
  • 自動車を洗うのを手伝う。
  • 皿を洗う。
  • おやつや軽い食事を用意する。
  • 調理法を読むのを助ける。
  • 洗濯機や乾燥機を扱う。
  • ベッドのシーツを替える。
  • 家の周辺のプロジェクトを手伝う。
  • 封筒に住所を書いたり、中に手紙を入れたりする。
  • 幼い兄弟に本を読んであげる。
  • 幼い兄弟をお風呂にいれる。

11-15歳

前述の仕事に加えて、
  • 赤ん坊の子守りをする。
  • 料理をする。
  • 食料品店で買い物をする。
  • 窓を洗う。
  • 電球を交換する。
  • 約束をする。
  • 家族のために出前を注文する。
  • 自動車をワックスでみがく。
  • 芝生を刈る。
  • ホームプロジェクトのためにのこぎりを使う。
  • 親のビジネスを手伝う。

16-18歳

前述の仕事に加えて、
  • お使いをする。
  • 家族の小切手帳を勘定する。
  • 自分自身の銀行口座を扱う。
  • 自動車を整備する。
  • 家計を助ける。
  • 家・庭を管理する。
  • 動物の世話をする。
  • 若い子供の宿題を助ける。
  • 兄弟の世話をする。



The Brown University Child and Adolescent Behavior Letter, November 1999
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Source: The Brown University Child and Adolescent Behavior Letter
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