20世紀の終りに10代の子供を育てることは、タイタニック号の船長をすることのように大変なことだ。その責任は重大で、危険は膨大であり、かつ、その船は前宣伝ほどには壊れにくくないものときている。更に悪いことに、10代の子供は、氷粒と氷山とを識別するほどには、人生や展望を持たない。多くの親たちがタイタニックの映画版を楽しんだのは驚くに当たらない。彼らは識別することができるのだから!
良いニュースとしては、多くの歴史的災害のように、学ぶべき教訓があることである。そして、私が25年の間、親たちに教えようとしたことは、他の誰かの経験しか代替はない、ということだ。我々自身が自分で全ての誤りを犯す必要はない。(もちろん、彼らが2億ドルもかけてあなたの失敗から映画をつくるはずないから。)以下が、私がタイタニックから学んだ教訓のトップ4である。
教訓その1:
10代の子供にいつも危険を回避できるとは限らないと教えよ。
1912年4月10日に、タイタニックは、処女航海でニューヨークに向かって英国を出発した。だれに聞いても、それは、かつて造られた船の中で最も安全であった。5日後には、それは、大西洋の底の2つの巨大な鉄のかたまりとなってしまった。考えられないことが起こり、浮沈船が沈み、少なくとも1500人の人々が死んだ。正確に何がいけなかったかは、まだ討論されている。映画のなかでは、見張りが氷山を見つけるのが遅かったことになっている。
しかし、1年前に私が『10代の子供を育てる』という本の改訂のため、この不名誉な難破を研究している間に、私は他の説明に遭遇した。このバージョンでは、担当の船員にはエンジンを止め、そして、災害を防止する十分な時間があった。しかしながら、彼は、エンジンを止めなくても、氷山の一角のそばで舵をきることによって、時間稼ぎできるだろうという誤った判断をした。
その問題は、氷山の約8分の7が水の下にあることである。その船員は、見えた氷山の小さい部分の周辺で舵をきった。しかし、彼は、水面下の部分の莫大な部分が、タイタニックの外壁を缶切りのように裂くことを考えられなかった。10代の子供が直面している多くの現代の危険は、氷山のようなものである。10代の子供は、飲酒、薬物使用、性、及び、暴力のような冒険で危険を知る、としばしば考えられる。彼らは、それらの危険のそばで舵をきることでうまく逃れられるとしばしば誤った考えをもつ。しかし、タイタニックの船員のように危険な部分を見逃してしまう。薬物中毒、性病、妊娠 、刑務所、死さえも。それらは、多くのプラスの性質を持っているかもしれない。しかし、1つの判断の誤りは、致命的であるかもしれない。親としての仕事の一部は、真の危険について子供に教え、エンジンを減速させることである。
教訓その2:
船に乗る前に救命艇を数えよ。
タイタニックの映画には、ヒロインが船の設計者とデッキを歩きながら、全ての乗客が乗るにはあまりにも救命艇が少ないことに気がつく場面がある。「必要の半分しかない」、彼は、彼女に告げる。これは有益な情報である。但し、それは、あなたが海へ逃れられた場合は、である。
ちょうど、真の危険を10代の子供に教えるのを助けることがあなたにとって重要であるように、最悪の場合を考慮したシナリオの救済計画を討議することは、同じく重要である。見知らぬ人が、あなたの子供に、あなたがけがをしたので、病院に連れて行くといったときに、何をすべきであるか。
子供を取り巻く様々な状況とそれへの効果的な対処法について話すのに時間を費やしなさい。これらの会話は、講義のようでなく、お互いのアイディアを出し合いながら作って行くべきである。繰り返しになるが、子供が納得しないときは、決め付けないことである。あなたの主目的は、子供に考えることを始めさせることである。彼は、話し合いの後のほうが、よりあなたの知恵に気がつくかもしれない。従って、子供がすべてに納得してないようでも、あなたは良い影響を与えていないということはない。
教訓その3:
10代の子供に誇大広告と現実の差異を教えよ。
子供は、映画、テレビ、音楽歌詞に見る全てが正確であるとは限らないことに気がつく必要がある。広告はものを販売するように設計されている。バドワイザーの広告にでてくるカエルは、かわいいが、それがアルコールを飲んでいる場面を決して見ない。まして、アルコールの毒で死んだり、デートでレイプしたり、アルコール中毒で死ぬ場面は見ない。親は、10代の子供が、誇大広告を見抜き、きちんとした情報に基づく意志決定をできるよう手助けすべきである。
教訓その4:
どのような場合に方向を変えるか、あるいは既定のコースにとどまるかを知れ。
ある人は、「壊れていないならば、それを修理するな」というが、別の人は「それでは、退屈である」という。前者のグループは、親である傾向があり、後者のグループは、10代の子供である傾向がある。
タイタニック号の船長は、既定の航路にとどまることに決め、そして、悲惨な価格を支払った。方向を変え、エンジンを切ることは、確かにより良い選択肢であった。これは、興奮の目的のための変更が災害の対処法である言うことではない。幼児期や10代の子供は、自らをテストすることを望む時期であり、興奮や冒険の必要性が高い。我々のできることは、10代の子供が、スポーツや戸外の活動、あるいは特別利益団体によって冒険を適度に安全な方法を発見するのを助けることである。
- 我々は、急速な科学技術の変化の時代に住んでいる。10代の子供は、我々よりも数倍このことを強く感じている。変化に適応することは、常にあらゆる種にとって、生存者の品質証明であった。それにもかかわらず、人間は、他の種と違う。親が、明日の世界の変化を知るのは、子供と一緒で、またしばしば子供から学ぶことさえある。親と子供は、人間の歴史の変わらざる真実を共有できる。
- 一生懸命することや自己啓発は、日和見主義やまぐれ当りに通常打ち勝つであろう。
- 自己、及び、他のものに対する関心は、皮肉な見方に勝る。
- 協力は、反乱よりよい。責任は、長期的には非難や弁解に勝つ。
- 正義やフェアプレーは、他のものと一緒に生活することと、1つの勝利においてあらゆる満足を感じるのに不可欠である。
- 愛は、冷笑を克服する。
あなたは、あなたの子供に嵐の海でバラストを提供する他の真実を教えることができる。もちろん、これは、今、氷山を前にして舵をきって、エンジンをとめろといっているのではない。結局、我々がタイタニックの誤りを繰り返す必要はないのだ。
著者マイケル・パプキン博士は、アクティブ・ぺアレンティング・パブリッシャー社の創立者兼社長。彼の出版物のカタログ請求先は、www.activeparenting.com 、もしくは、(800) 825-0060 。
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