M  E  S  S  A  G  E



ご あ い さ つ


チャイルド・リサーチ・ネット所長
小林 登

 現在、世界の子どもたちは多くの問題に直面し、その成育はさまざまな要因で阻害されています。たとえば、発展途上国ではエイズ・その他の感染症・栄養失調など、先進国でも、不登校・いじめ・非行・虐待などと、枚挙にいとまがありません。そして、その背景には社会文化的要因が大きく作用しているものと思われます。

 このような子どもを取り巻く問題を解決していくには、従来の学問分野、つまり医学、小児科学、保健学、心理学、児童学、教育学などの分野にとどまらず、社会学、文化人類学、人間生態学、行動科学等をも取り込み、さらには、生物学、情報論、システム論など新しい学問体系を加えた学際的な研究体制が必要ではないかと考えます。

 一方、今日ではインターネットの急速な普及により、双方向の情報交換が可能な世界的ネットワークが実現しつつあります。こうした情報ネットワークは、グローバルな視点で子どもに関する諸問題を研究し、解決策を探る上で極めて有効な役割を果たすものと思われます。

 そこで、インターネットを利用した、いわば、バーチャルな子ども研究の組織、チャイルド・リサーチ・ネット(Child Research Net)を設立し、国内のみならず、広く世界の研究施設や研究者と交流を行い、子どもをめぐるさまざまな情報を収集・分析し、その解決に取り組んでいくことを思い立ちました。

 世界的に見ると、子どもの問題を学際的にとらえようという動きはありますが、それを目的とした、チャイルド・リサーチ・ネットのような研究施設は例のないものです。このネットが21世紀を生きる世界の子どもたちの未来に大きな意義を持つよう、幅広い活動を展開していきたいと思います。また、このネットに関心をもたれた方は是非ご参加ください。このネットを通して皆さんとともに子どもたちの未来に貢献していきたいと思います。

                     チャイルド・リサーチ・ネット所長




                   甲南女子大学国際子ども学研究センター所長
                   東京大学名誉教授
                   国立小児病院名誉院長



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