このように日本人の私たちの行動様式まで一時的に変容させてしまうようなアメリカ文化の対人関係の敷居の低さというのは、日本人のそれと根本的にちがうのでしょうか。決してそうではなさそうだ、と考えさせられる話を、前回の最後にご紹介したケンプ子どもセンターKempe Children’s Center*1(写真、ホームページはこちら)でインタビューさせていただいたドナルド・ブロス博士Dr. Donald C. Brossからうかがいました。
ケンプ子どもセンターの主要な仕事は、虐待/ネグレクト(養育放棄)児童の救出とその発育支援です。センターの前身は1962年に児童虐待の事実を世に被殴打児症候群(battered child syndrome)として知らしめた小児科医として日本でも知られるヘンリー・ケンプ博士Dr. C. Henry Kempeが1972年に設立した国立児童虐待ネグレクト予防処遇センター(The National Center for the Prevention and Treatment of Child Abuse and Neglect)でした。このセンターは昨年(2002年)7月、第14回国際児童虐待防止協会(ISPCAN:The International Society for the Prevention of Child Abuse and Neglect)の国際大会*2を主催しました。