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●【特集】子どもの発達とテレビ視聴 大論争をどうみるか
(2004年7月23日)

論点の一つは「言葉の遅れ」と「自閉症」

「2歳以下の子どもには、テレビ・ビデオを長時間見せないようにしましょう。内容や見方によらず、長時間視聴児は言語発達が遅れる危険性が高まります。」
 (日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 提言・2004年4月5日) 詳細はこちら

「テレビと自閉症との関係―テレビ視聴はなぜ空間認識を育てないのか―」
 (日本小児科学会学術集会 教育講演演目・片岡直樹−川崎医科大学、同委員会委員・2004年4月) 詳細はこちら 

テレビやビデオの長時間視聴と言葉の遅れや自閉症などの発達問題とは関連がある、だからテレビなどあまり長い時間見せないようにしましょうね。という話。

お酒もタバコも甘いものも、あんまりたくさんとりすぎると体によくないことを考えると、「度が過ぎる」のは確かに体にはよくないですよね。

でも、自閉症は先天的な発達障害なのでちょっと変では? 
また、言葉をしゃべり始める時期が様々で個体差があるから、何を基準に「遅れてる」というのかな?

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発達障害など小児神経を専門とする小児科医の反論は次のとおり。

「言葉の遅れや自閉症が、テレビやビデオ視聴のせいだとする十分な科学的根拠はない。」
「因果関係は不明なのに『テレビを見せたせいで自閉症になったのでは』と悩む親が多い。脳神経の専門家集団として、あえて発言した。(小西行郎・東京女子医大教授)」
「育児不安をあおりかねない」

 (日本小児神経学会 提言・2004年7月17日) 引用元はこちら

夕方のTV番組を子どもが見ている間に夕食づくりを終えるママは多いですよね。子育てが困難な時代に、日常生活のなかで身近なテレビやビデオが果たしている役割もあるはず。

メディアを完全に排除することは不可能なことを考えれば、もっと冷静に、きちんと検討する必要があるのでは、と声をあげたのがこの方たちでしょう。


日本子ども学会の視点

子どもの日常にメディアが大きな比重を占めるようになったのは、1953年のテレビ放送の開始以来のことでしょう。技術革新による新たなメディア機器の登場により、1995年頃から子どものメディア視聴の時間は大幅に増加しているのは確かです。また、佐世保市の女児殺人事件ではインターネットが殺人の動機と絡んでいたために、子どもとメディアの関係が新たに問題視されています。

このような事情から、現代の子ども問題をメディアの弊害によるものと断罪する意見が多く聞かれます。しかし、子育て現場に不要な不安をもたらすことのないように、特殊な事例と一般的な事例とを明確に分けて、あくまでも研究データをもとに事実の検証を進めていきたいと当学会は考えています。

また、センセーショナルに警鐘を鳴らすだけでなく、家庭や子育て環境を具体的に見直すとともに、メディアの製作者や発信者たちの意見にも耳を傾けながら、現実的な改善策の提言をめざしたいと考えています。


子ども学会議で徹底討論を

9月4日、5日に「メディア社会と子どもたち」を大会テーマに、第1回子ども学会議が開催されます。(プログラムはこちら)

初日のシンポジウムでは、先の日本小児神経学会で白熱した議論を展開した小児科医が、改めて徹底討論に臨みます。
 「幼児のメディア視聴は是か非か?」 会場でみなさんの意見もぜひお聞かせください。


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