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●【特集】文化間移動と子どもの発達
(2005年7月8日)

日本で暮らす外国籍の人々の増加により、子どもも大人も、自分とは異なる文化に接触することが身近なものとなりました。文化が異なれば価値観も異なり、衝突が起こることは想像するにたやすいでしょう。

第2回子ども学会議・シンポジウムTのパネリストの一人、ヒダシ・ユディット教授(神田外語大学)は、価値の衝突に強く、柔軟な子どもを育てるにはどのようなしつけや環境を用意すればよいのかを考えるべきときに来ている、と問題提起しています。単一の文化環境の中で、「こういう行動はよいこと、ああいう行動は悪いこと」といった絶対的な価値観を与えるようなしつけによって育てられれば、親に「悪いこと」と言われた行動と似た行動をする異文化の人間は、きわめて受け容れ難いものになってしまうでしょう。それを避けるためにも、文化の多様性を幼少期から呈示して、文化を相対的にとらえるような養育方法を考えねばならないのではないだろうか? 大変興味深い視点です。シンポジウムでは、「価値の衝突が子どもに与える影響」と題する話題提供をしてくださる予定です。

ユディット教授の故国はハンガリーですが、ハンガリーに限らず広くヨーロッパにおいては、文化間移動が古来から極めて頻繁におこなわれており、「多文化社会」という概念の歴史が古い。このような背景を持つ教授にとって、日本でよく聞かれる「外国人と接触すればするほど、理解は深まり親善交流ができる」という考えにとまどうことが多々あるそうです。単純に生活上の接触をふやせば理解できるのでしょうか?

このシンポジウムの座長を務める佐藤郡衛教授(東京学芸大学)は、実際に日本で生活する外国人の子どもへの対応は、「日本社会への同化」または「分離した上での管理」であって、本来あるべき相互作用による新しい社会づくりなどは行われていないと指摘します。

様々な価値観を持つ人々が集まる社会に生まれ、育つ子どもたち。その意味や課題を「子ども学/Child Science」の視点から考えてみたいと思います。

■第2回子ども学会議
http://www.crn.or.jp/KODOMOGAKU/ACT/index.html


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