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●探訪・子ども研究室-9-
(2005年9月30日)

今月のナビゲータ:足立(中根)絵美さん(奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程1年)

ようこそ麻生研究室へ

麻生研究室は、のどかな時が流れる奈良女子大学にあります。東大寺や奈良公園に近く、大学構内では散歩にやってきた鹿に出会うこともしばしばです。

そんな歴史の街奈良にある麻生研究室のドアを開けると、犬が五匹と赤ちゃんが二人います(いずれもロボットです)。犬型ロボットが机の上で「何かお話してワン」などと喋っていると、先生が「今はお勉強中だからね」と諌める。そんなほのぼのとした日常があります。

もちろん、これらのロボットたちは先生の寂しさを癒すために研究室に置かれているのではありません。結果として忙しい先生やゼミ生を癒してくれているのは事実ですが。麻生先生の専門は“発達心理学”です。ではロボットと発達心理学はどこでつながっているのでしょうか。


只今こんな研究をやっています

犬型ロボットを幼稚園に連れて行くと、園児たちは興味津々といった表情で寄ってきます。撫でてみたり話しかけてみたりと、最初は様子見半分、遊び半分といった関わりです。しばらくすると遊ぶのをやめてしまう子もいます。お友達と一緒だと楽しく遊べる子もいます。

このように実際に子どもたちの様子を観察することで、ロボットに対して抱く感情と、本当の人間や動物に対して抱く感情、何が同じで、何が違うのかを考え、人間のコミュニケーションというものが何なのか改めて探ってみようと健闘しているのです。

ロボットに限ったことではありません。成長と伴に、そして時代と伴に私たちは新しいものにどんどん出会います。その一つとして、私は現在、テレビについて幼児や小学生にインタビューをし、リアリティとフィクションが入り混じったテレビに子どもたちはどう出会い、どのように付き合っているのかを研究しています。


バリエーション豊かな研究たち

麻生研究室には卒業論文や修士論文、博士論文の執筆に向けて励む学生が多くいます。学生はそれぞれ自分の見つけた“人間の不思議”を解き明かそうと日々奮闘しています。
昨夜見た夢について親子で語るとどんな会話が生まれるのか興味を持ち、実際に録音した親子の会話を基に分析を進めるという研究や、育児中のお母さんの心配のひとつであるトイレットトレーニングについて、直接お母さんに話をしてもらい、そこでうごめく思いを考える研究などさまざまです。小中学生を対象にインタビューやアンケートを実施し、自然への関心や理数科系科学への関心を調査するといった、プロジェクトも行っています。


研究会や勉強会も充実しています

「子ども学研究会」や「奈良フォーク・サイコロジー研究会」などが定期的に開催されており、心理学のみならず近接領域の学問とも議論を重ねながら現代を生きる人間や子どもの姿に迫っています。また、麻生研究室では一年かけて一冊の洋書を皆で輪読しています。どのゼミ、どの学年からでも参加できるので、先輩や後輩とのいい交流の場にもなっています。勉強のあとの美味しい一杯も楽しみの一つです!

最近は院生主体の自主勉強会も増えてきました。ワロンやヴィゴツキー、メルロ・ポンティといった古典にも挑戦しています。今年の夏はベイトソンの読書会と発達検査についての勉強会を行いました。学生が主体となって研究や勉強に励むといった雰囲気が溢れる場所になっています。

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奈良女子大学大学院人間文化研究科 麻生武研究室
 人間行動学専攻のホームページはこちら
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