子そだてクリニック Q&A
題 名 | : 回答:LD児に理解を(小6男) |
投稿者 | : 子育てクリニック事務局 |
日 付 | : 1998年 12月02日(水) 15:17:30 |
T.K.さんも息子さんもさぞかしご苦労なされたことと思います。 学習障害(Learning DisorderもしくはLearning Disability略してLD)は、多くは知能に 遅滞はみられないのに、読み書きや計算などが困難な障害をいいます。手先が不器用などの運動 能力障害やコミュニケーション障害、注意欠陥多動性障害などをあわせもつこともあります。一 口に学習障害とはいいますが、その症状は障害児によって様々です。学習が困難であったり、会 話が不明瞭であったり、動きに鈍さがあったりすることから、発達遅滞に間違われることもあり ます。逆に、知能は平均水準に達していたり、学習場面以外での日常生活には支障がないのに、 勉強ができなかったり、おちつきがなかったりすることから、怠けている、家庭環境が悪いなど と誤解され、本人や家族が傷つくこともままありますが、これらの障害の原因は脳の障害にある という説が現在では有力です。また、努力しても学習が非常に難しいことから、子どものプライ ドも大変傷つきます。その子の症状にあったアプローチを用いれば、学習を促すことも可能なの ですが、読み書きや計算の学習の始まる就学時まで、問題があらわれにくく、障害が見つかりに くいことや、まだまだ広く知られていないことから、誤解されたり、適切な処置が遅れることが 少なくありません。 診断や相談の案内は地域の児童相談所や教育センターで得られます。 子育てクリニック相談員 高木