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CHILD RESEARCH NET FORUM


子そだてクリニック Q&A


[KOSODATE: 00202] /一覧へ戻る
題 名: アドバイス:(続)不登校に対するカウンセラーに不信感
投稿者: 少し事情を知っている者
日 付: 1999年 03月30日(火) 13:04:38

児童相談所(以下、児相と略します)について誤解と混同があるようです。児相は養護問題への対応から始まり、相談機関の中で唯一強制力を持っておりますが、現実には一人で担当する問題と地域が広く、限界があるのは否めません。法改正に伴い、児相の在り方も問い直されていますし、御指摘の相談員の構成についても誤解があるようですが、近年は専門家の派遣を受けています。しかしながら、しばしば言われる話ですが、心療内科医がクライアント(相談者のことです)に風邪をひいているようだから病院に行った方がいいとは言えません。医師の立場として病院行きを勧めるのは問題があるように、単純に専門家であればよいという話にはならないのは十分承知しております。

児相が第三者機関の協力を得ながら地域ネットワークを形成というと大げさになりますが、児相を単独の相談機関と受け取らずに、警察署生活安全課少年係、社会福祉協議会、子ども医療センターの精神科医、学校の教師・スクールカウンセラー、教育委員会等との連携によって、総合的な対応が理想と考えます。時折話題になりますように医師や弁護士にも資質が疑問視される方がおられるし、カウンセラーとて同様です。しかしながら、本件につきましては、相談回数から察しまして児相の相談員が他にも担当する相談を多く抱えいる状況だと思われます。短絡的に当該相談員の資質を云々するのは早計のような気がしますが、本人やその御両親にとって望ましいことではないのは事実でございます。その場合でも単純に別の相談機関に変えるということも結構ですが、少し見方を変えて相談先を広げ、なおかつその相談者間の連携を密にして頂くということもひとつの方法だと考えます。

実際にカウンセリングを受けたお二人が書かれている件でございますが、御本人がカウンセリングを受ける場合と違いまして児童の不登校の問題は当人とカウンセラーだけの問題で片付けるという訳には参りません。大変失礼な言い方になりますが、他人のことだからおせっかいをやめなさいとか、本人の自主性を尊重して本人に任せなさいというように読めますが、そのような趣旨には賛同できかねます。当然ながら、相談の結果、本人の自主性に任せるべきだという結論が出ることもあります。しかしながら、本件はそれ以前の状態です。児相で扱う問題についても、色々な対処の仕方がございますが、不登校の問題は神戸の事件を指摘されてあるように御家族だけでなく、学校や近所も含めて幅広い協力が必要です。不登校の子供だから友達と遊ばないという訳ではなく、意図して担任教師がクラスの子供を遊びに行かせることもあります。その場合は最初に御質問されたような方の関わりも大きくなります。欧米の報告を読みますと、日本では地域の結びつきが弱く、身内の問題として内々で解決しようとする傾向がありますので、お友達のために取り組まれることは御本人が望まれない場合は別としまして、否定される話ではないと存じます。

御両親が悩まれる場合の他に、御両親や本人が相談者に対して頑なになる場合が多々ございますので、御両親のお友達によるアドバイスも、参加して頂くという形ならば歓迎すべきことです。一言追記させて頂くとすれば、児相の担当者に率直に感じておられることをお話になられたら如何でしょうか。御意見を読ませて頂いただけでも児相の担当者にとっても非常に参考になりますし、あなたが誤解されていることもあると思います。学校の先生の話が出て参りませんが、大切なことですので、お子さんの問題を契機として、お子さんの担任の先生を通して、当人の担任の先生ともお会いになったらどうでしょうか。