●HOME●
●フォーラムへ戻る●
●一覧へ戻る●

CHILD RESEARCH NET FORUM


子そだてクリニック Q&A


[KOSODATE: 00223] /一覧へ戻る
題 名: 回答:(続)不登校に対するカウンセラーに不信感
投稿者: 子育てクリニック事務局
日 付: 1999年 04月12日(月) 13:01:58

お尋ねの件は、地方自治体の児童相談所について、とのことですが、ここで、カウンセラーにあたると思われるのは、心理判定員や心理技術と呼ばれる人々です。

常勤の心理判定員や心理技術は、その自治体の心理や福祉といった専門領域の公務員試験の合格を経て勤務しています。自治体によっては常勤職の不足を非常勤を採用する事で補っていますが、これらの場合は、原則的に大学院で心理学やそれに類する学問を修めた者の中から、面接などで適性を判断して採用されます。問題を抱えた子どもたちを面接したり、心理テストを実施したりします。また、別に児童福祉司という職もあります。こちらは、主に養育者への対応や他機関との調整を担当しているようです。こちらは、心理・福祉の専門職があたることもありますが、一定の条件を満たした行政職があたることもあります。

お話の中に「不登校の子どもから直接話を聞いた訳でもなく」という表現がございましたが、これは比喩・推測でしょうか? それとも事実でしょうか? もし、問題のお子さんが実際にはまだ児童相談所に通所しておらず、職員と面接していないようでしたら、お話の「カウンセラー」は心理判定員・心理技術ではなく、福祉司の可能性が高いと思われます。児童相談所の関係者であれば、不登校にもさまざまなタイプがあることは当然承知していると思いますが、実際にお子さんと面接できないうちには、福祉司にせよ、関係者の話を聞いた上で考えられる限りの可能性を検討し、もっとも一般的であろう対応をアドバイスすることしかできません。過程での過干渉が不登校の一要因となることや、また不登校の子どもにさらに親が干渉しすぎることで子どもを追いつめてしまうことは比較的よくあるケースですので、児童相談所の方は心配していらっしゃるのかもしれません。

担当職員の交代を要求することは可能ですが、少し事情を知っている者さんからのお話にもあるように、どこの機関も人手不足であり、1人が何件ものケースを抱えているので、その要求が通るかどうかはわかりません。少し事情を知っている者さんからのアドバイスにもありますように、まずは、おせっかいさんと親御さんのかかえていらっしゃる疑念を担当者に率直に打ち明けることが必要かと思われます。担当者にとっても大変有益な情報でしょうし、その上で、新たな対応なり、担当者変更の可能性なりが、出てくることでしょう。

それから、みみみんさんのご投稿にはいくつか誤解があるようなので補足させていただきます。確かに、教育相談所等で教員経験者等が顧問につくことはあるかもしれませんが、相談員は原則的に大学院で心理学もしくはそれに相当する専攻を修めたものが務めているはずです。また、少年院の教官、警察の心理相談員等はそれぞれ国家・地方の心理・教育の専門職の試験に合格したものが務めており、そういう意味では児童相談所の常勤専門職と遜色のない基準をクリアしていると思われます。一般の元警察官が児童相談所・教育相談所に雇用されるケースについてはあまり耳にしませんが、少年係などで経験豊かな方については協力をあおぐことも考えられるかもしれません。(この件に関してはまだ確認できないので、あくまで推測にすぎません。)

クライアントはclientです。少し事情を知っている者さんのご説明通り、相談者の意味です。しかし、児童相談所ではあまり言いません。
また、周りの方のサポート体制についてですが、もちろん積極的な援助が必要なときもあるでしょうが、まず本人が自分の意志で動き出さねばならず、周りがそれを見守らねばならないとき、そして、本人が黙って見守ってくれることを望むときもある、ということはご理解ください。(まりあさんがご心配なさっていたのも、親御さん自身が決心すること自体が重要なときがあるということではないか、と思います。周囲のサポートも大切ですが、確かにそれもまた大切なことです。)井戸端会議さんも、よい友だちからのサポートに恵まれたのだと思います。

だめなカウンセラーの基準についてですが、一般的には、みみみんさんのあげられた通りですが、児童相談所や教育相談所などの場合、まず子どもの問題から話が始まるので、問題を明らかにする過程で養育者が批判されているように感じることもあるでしょうし、「励まし」の必要な時期もあるでしょう。1つの基準にこだわる事は危険であることをご承知ください。また、葛藤が表面化したりする過渡期では、必ずしも面接したからといって、すっきりせず、むしろ問題に直面したがために不愉快な気分におそわれることもままある、ということはご理解ください。

                 子育てクリニック相談員 高木