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思春期の親子関係を考える −日米の比較から−
Parent and Adolescent Relationships in Japan and the United States
Robert Strom, Ph.D.(アリゾナ州立大学教授 発達心理学)
翻訳(通訳):森嶌由紀子(武蔵大学非常勤講師)

【 講演要旨 】
 社会がうまくいくかどうかは、親が充分その役割を果たしているかによる。先進諸国の父母に対する調査によれば、子どもが思春期になるにつれて親の役割を遂行することはより困難になり、満足のいかない傾向にある。子どもの成長に合わせて親子関係を適切に変えていくことへの難しさは、思春期の子が親と接触せず、親は自分を理解できないと主張することからもうかがえる。このことから、家族に対する教育サポートは、幼児期までに限定するのではなく、子どもの誕生から思春期までの発達過程を継続的に把握できるような包括的なプログラムが必要である。
 そのためには、親子両方の世代からの視点に立って、親としての望ましい資質を評価し、親として何が必要であるかを認識することが重要である。もっと具体的に言えば、

   (1) 親は子どもと充分コミュニケーションがとれているか
   (2) 親は充分時間を管理できているか
   (3) 親は期待される教育(しつけ)を充分行っているか
   (4) 親はフラストレーションに充分対処しているか
   (5) 親は自分たちの役割に満足しているか
   (6) 親は子供を育てるうえで必要な情報を充分得ているか

 これらの質問に対する回答から、親の資質、および、親の子どもに対する影響について、正確に把握することができる。
 本報告では、親の言動に対する評価の調査結果から、日米の親子関係を比較する。日本の調査対象は思春期の子どもとその母親であって有効票は計1200であり、アメリカの調査対象は思春期の子どもとその母親と父親であって有効票は計2100である。これらの結果から、思春期の親に対する教育プログラムにおいて重要視されるべきことも示唆したい。

【 はじめに 】
 私と妻は京都の石庭で有名な竜安寺を訪ねたことがあります。石庭では1カ所に立ってすべての石を見ることは不可能ですが、自分が動くことにより石庭全体が見えてきます。同じように現代社会においても、子どもと親が相手の立場に立って物事を見ることにより、親子関係の全体を把握することができます。本日の講演では、思春期の親子関係において、思春期の子ども世代とその親世代がそれぞれの立場から親子関係をどのようにとらえて、そして、どのような点を改善したいと考えているかについて報告したいと思います。報告で用いるデータは、日本とアメリカ両国の思春期の子どもとその母親、計約3000人分のデータです(Strom, Amukamara, Strom, Beckert, Strom, & Griswold, 2001; Strom, Beckert, Strom, Strom, & Griswold, 1999; Strom & Strom, 1998; Strom, Strom, Strom, Makino & Morishima, 2000)。アメリカ側のデータには父親を対象とした調査結果もありますので、それも検討したいと思います。それでは、思春期の親子関係について、7つの側面からお話ししましょう。

【 講演プロット 】
  1. 思春期の子どもから学ぶことと権威の逆転
  2. 友情の形成とデートに関する話し合い
  3. 複雑な環境におけるストレスの対処の仕方
  4. 家族の意見の相違を認めて表現すること
  5. 創造的思考をサポートするための環境づくり
  6. 父親と息子に対する家族の期待を変化させること
  7. いじめる子とその親に対する特別な教育の提供
  結論
  --References--


【 講演 】
1. 思春期の子どもから学ぶことと権威の逆転
 日米両国とも思春期の子どもは、親は子どもを教育する(しつける)重要な役割をもっていると認識しています。しかしながら、子どもの経験は大人のものとはかなり異なるため、子どもの教育は相互的に行われるべきだと考えています。子どもの視点では、親が自己判断しているよりも、親は子どもから習おうとしていないと評価しています。現代のような社会の変化が激しい時代には、親子の相互的な教育が必要であることは明らかといえます。それにもかかわらず、日本人の中には親子の相互的な教育を拒否する傾向にあります。なぜなら、親子相互間の教育は、コミュニケーションの進め方や家族内の地位役割分担に関する伝統的な方法と矛盾するからです。現在に至るまで、さまざまな価値観はいつも年長者から年少者へと一方向に伝達されてきました。その結果、社会は若い人を知識の源としてとらえる経験をしてこなかったのです。

 しかし幸運にも進展は見えています。調査によれば、思春期の子どもの85%が両親よりもテクノロジーについての知識がありました(Tapscott, 1998)。その結果、若者の能力が認められることにより、権威に対する突き崩しが生じています。この状況のダイナミクスは、3年にわたる調査により証明されました(Bunn, 2000)。インターネット未経験の100軒の中流家庭にインターネットとe-mail接続が無料のコンピューターを貸し出して、調査期間中、どれくらいの頻度でコンピューターを使用し、どれくらいの時間インターネットやe-mailを接続するか、その内容を問うことはしないで、遠隔モニターで調査しました。数ヶ月間隔で、親と思春期の子どもに、コンピューターに関する能力、コンピューターを通して一緒に過ごした時間、操作問題の解決に互いに助け合った頻度について答えてもらいました。

 遠隔モニター調査では、思春期の子どもは平均週3時間オンラインを利用しましたが、それは両親の6倍の時間でした。また、子どもたちは親の10倍のe-mailを受け取り、インターネットも多く利用しました。調査ではそれぞれの家庭でどのようにコンピューターが使われているかを観察するために、家庭訪問をした際、ビデオ撮影されました。調査者は観察している対象者のコンピューター操作に問題が生じても、何も手助けをしませんでした。89%の家庭にコンピューター操作の問題が生じましたが、親はどうすることもできない人が多く、親はコンピューターの問題を解決する能力のなさを言い訳にしました。それに対して、子どもはめったに不平を言わず、喜んで作業をこなしていました。コンピューター操作の助けが必要になったときには、ホームネットという電話サービスを利用することが可能でした。

 しかしながら、何か問題に直面したときに、親は主に子どもに助けを求めました。子どもが家にいないときには、親は大抵ホームネットを利用しないで、作業を断念してしまいました。ホームネットをもっとも利用したのは、作業をよくこなせる思春期の子どもでした。つまり、コンピューターに関する技術が高い者は、自分がまだ知らない部分を把握していて、さらに複雑な操作にチャレンジする自信を持っているようです。ほとんどの家族でコンピューター知識が高くなるにつれ、一番年少者が父母に対して指導者として権威を持つようになっていきました(Bumm, 2000)

 このような状況にともなうリスクを減らし、恩恵を最大に保証する一つの方法としては、思春期の子どもに対して、「よい先生」としての役割を担うよう促すことです。技術を持っているということは、その技術を有効に伝授することができるということは意味していません。有効な教え方には、知識に加えて忍耐と相手への励ましが必要です。教える方に忍耐がなければ、教わる方はやる気をなくしたり、習う能力がないのではないかと思ってしまいます(Sadker and Sadker, 2000)。ホームネットサービス利用の調査からは、大人は若い人に比べて、馴染みのない教育環境に置かれるとあきらめてしまう傾向にあることが分かります。そのため、思春期の子どもは親に教えるときには親が失敗してもまた挑戦する気が起きるような感情的なサポートが必要であることを認識していなくてはなりません。これは特に低所得者層に言えることで、教育をあまり受けていない親がコンピューターを習い始めるときに自信をなくすことはしばしば起こります。このことは教育において努力することが大切であると考える日本の場合にも当てはまります。人は失敗しても再度挑戦すべきです。
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2. 友情の形成とデートに関する話し合い
 親と思春期の子どもは、友情の難しさや人間関係の維持のための方法を話し合うことにより、恩恵を得ることができます。このような会話がもっと必要であることは、1997年のBensonの調査からも強調されています。10歳から14歳までの8000人のアメリカ人の生徒を対象として心配事や不安事について尋ねたところ、5人中3人がもっとも頻繁に心配になることは仲間関係でした。すなわち、他の子が自分をどれほど好きか、友達は自分にどう対応するか、他の人は自分をどうみているかなどです(Benson, 1997)

 子どもは親に対して、一方で自立していきながら、他方で友情関係をどのように改善させて維持させていけばいいのかについてのアドバイスを求めます。これらのことは仲間の存在が大きくなる9歳から10歳頃に始まります。親としての教育や情報を受けていないアメリカ人の親は、「誰かが私の子どもに対してよい対応をしなければ、私は子どもに『他に新しい友達を作りなさい』と言う。」と言います。しかし、仲間への無神経な態度はこの年の子どもがよくとってしまうもので、それに対して撤退(あきらめ、放棄)することが最良な方法であるというメッセージになります。子どもは、難しい関係を改善したい、もっと満足できる関係を作りたい、仲の悪い人とも仲良くなりたい、と願っています。このような子どもの考え方が健全であると考えられない親は、子どもへの良きアドバイザーとしては失格です。

 11歳から12歳になると、仲間の存在はもっと大きくなります。この時期になると、親にアドバイスを求めなくなる子どももいます。なぜなら、子どもは日常の複雑で矛盾の多い状況に対して大人の単純な解決を拒否するためです。思春期の子どもの人間関係におけるやりとり(交渉)を助けるためには、大人はよくきき、よく考え、解決方法を提案しますが、最良の答えは確かではないことを自ら認める必要があります。それでも、親は子供に対して、「一緒に意見を交換して、計画を立てて、それを試してみて、経過をみてみて、そして、ほとんどの問題は解決可能であることを心にとめておこう」と常にアドバイスするのが適しています。しかし、不幸にも、多くの親は子どもの抱える問題(友人との対立)をいちいち聴くことにうんざりしてしまって、聴くことを止めてしまいます。このような親は後に、「私の14歳になる子どもは最近話をしてくれないけど、それはそういう年頃になったからね」と言います。娘が親に再びアドバイスを求めるかどうかは、親の側が先入観を持たずに聴き、自分の友情に関する経験を喜んで打ち明け、そして問題に対する建設的な解決方法を考えられる能力があるかということによります。最良の親子関係は、子どもが大人になっても親と友情の矛盾などを共有できる関係です。

 親は子どもに関わるどんな事でも喜んで話し合うべきです。しかし、友情とデートという二つの話題は、思春期の子どもの大きな関心事であるにもかかわらず、家庭内で話し合われることはほとんどありません。調査ではアメリカ人の親は子どもとこれらの話題について話すことが不得意であると自己評価しています。黒人家庭では子どもの45%が父親はこの話題について話し合うことはほとんどあるいは決して得意ではないと評価し、また同じ割合(46%)の父親は自分の態度を批判的にとらえています(Strom, Amukamara, Strom, Beckert, Strom, & Griswold, 2000)。同様に、日本人の母親もデートについて話すことは不得意であると自己判断しています。日本人の子どももまた、母親はデートについて話すことが不得手であると判断しています。実際、デートに関する項目は、「親としての有効性を示す指標(Parent Success Indicator、PSI)」60項目中でもっとも低い点数となっています(Strom, Strom, Strom, Makino & Morishima, 2000)

 なぜ、親は子どもの社会化において重要な段階である友情とデートについて話すことを避けるのでしょうか。私達の推測としては、エイズへの不安を喚起するような性的関係に関するメディアや子どもの仲間の存在(圧力)により、親は子どもの成長に伴う自然な性的な社会化に対して、適切な配慮や指導によるサポートができないでいるようです。アメリカのテレビでは、よく男女が出会って間もなく性的関係を結ぶ場面が放送され、デートに対して歪んだ早熟したイメージを与えています。親は思春期の子どもがテレビでの行為を自然と受け止めて、それをデートに期待することを心配しています。

 デートへの期待と永続的な友情関係を築く方法についての会話では、デートの相手との関係において相互の尊敬と自制心をもつことを確認する必要があります。しかし、親は、デートの誘い方、デートの方法、相手に対する期待などについてめったに話すことはありません。礼儀正しさが必要であることは、多くのアメリカ人の男の子が仲間がいる時に格好付けてガールフレンドに対して悪い呼び方をしても許容されると感じていることからも確認できます。このこと(ののしり、虐待)は、後の女性に対する不当な扱いを容易に正当化させてしまいます(Hird, 2000、Reyes & Fowler, 1999)

 例えば、11歳から17歳までの2000人のアメリカ人の女の子を対象にして、学校をどのように変えたいか、どのようなことを同年の女の子は知っておくべきか、どのようにして他の人から傷つけられたか、などについて尋ねてみました。性的関係を精神的に強いられた経験がないのは11歳のグループのみで、12歳になるとかなり一般的に性関係の精神的強制を経験していました。多くの女の子たちは、学校生活では男の子と友人として会話をする機会が充分ではないといいます。授業中は私語は禁止ですし、授業と授業の間は移動で忙しいからです。また、セクハラの経験については意見が一致していました。全般的に、女の子は学校生活には勉強と社会的関係のよりよいバランスが必要であることに同意していました。学校生活における問題認識は、麻薬や不良や暴力などを心配する親からの影響がかなり大きいようです(Haag, 2000)

 思春期に良いパートナーとなるための基本的態度を身につけられないと、後の人間関係に支障をきたします。結婚生活を長く送る者は、友情が2人の仲を長く保ち、2人の関係をより満足で安心なものにしていると確信しています。しかしながら、多くの親は、子どもが自分達がデートをした年齢に達するまで、デートについて話すことを遅らせます。アメリカ人の女の子17000人を対象にした小児科(学)の調査によれば、デートについての話し合いは9歳から始めるべきだと考えていて、これは今日の女の子が二次性徴の発達が早いからです(Herman-Gibbons, Slora, Wasserman, Bourdony, Bhapkar, Koch & Hasemeir, 1997; Kadlubar, 2001)。早熟になってきたことは、女の子が実年齢よりも成熟してみえて、男の子を性的に引きつけてしまうことを意味します(Lemonick, 2000)。私達の調査では、10歳から14歳までの子の日米の母親と米の父親はデートについて子どもを指導することが不得手であることを示しています。
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3. 複雑な環境におけるストレスの対処の仕方
 アメリカの思春期の子どもは、ストレスへの対処の仕方を教えることに関して、母親は望ましい資質を持っていないと判断しています。一般的に母親はこのことについて自分の影響を過大評価しています。母親が把握しているよりも、子どもはプレッシャーに対する耐え方の知識はありません。他方で、週5時間以上子どもと一緒に過ごす母親は、5時間未満の母親と比べて、親子両世代ともストレスへの対処や親の役割に対する評価が高い結果となりました。思春期の子どものストレスへの対処を助けるには、母親の存在と母親がどれほど子どもに耳を傾けて、子どもと一緒に過ごすかということが関わっています。

 ストレスについて信頼できるアドバイスをするには、母親は自らの生活のなかでストレスへの対処能力を示さなければなりません。一つの方法としては、時々日常生活から離れて、ストレス対処の感覚をもつことです。アメリカの母親でもっともストレス対処の仕方を子どもに教える資質が低いと判断した人は、自分の余暇時間をもてない人でした。働く母親は、子どものしつけ、夫への義務、雇用者を満足させること、家事の管理、老親の介護など、複数の責任からくるストレスに悩んでいます(Hesse-Bider & Carter, 2000)。このようなプレッシャーにある母親は、子どもに対して過密なスケジュールを立てて、子どもの自由裁量の時間を奪ってしまうような問題を起こしてしまいます(Gleick, 1999)

 黒人と白人の、思春期の子どもの父親も、母親と同様、自分の余暇時間をもてないという問題が生じています。この余暇時間を予定に入れられないという能力の欠如は、親としての役割に大きな影響を与えています。父親がストレスを抱えていたり疲れていたりしていると、子どもと接していても言い争いが多くなったり、お互いに満足できないものとなります。父親は母親ほど思春期の子どもの世話やしつけに責任を感じていません。したがって、気分を一新させるための時間もとれない父親が、思春期の子どもに対して、時間に対する多様な要求への対処の仕方を効率的に教えることはできそうにもありません。過剰な選択を迫られ、せかされるような忙しい生活を送り、出来事に対してコントロールが欠如しているような感覚は、人々のますます共通した不満です。父親はこの問題に対処するための援助が必要であり、さもなければ父親は子どもに対して有効な時間の使い方を教えることはできないでしょう。

 この状況は日本ではもっと複雑です。なぜなら、母親は思春期の子どもの発達に過剰なほどの責任があるからです。母親の主な仕事は子どもに対して学校と塾で一生懸命に勉強するよう動機づけをすることです。母親は継続的な励ましと進歩を監視するだけでなく、勉強によるストレスが大きくなりすぎないように認知して、ちょうどいい量の休憩をとるようにさせなければなりません。子どもを限界まで持っていきながら健全な精神を維持させるような調和をもたらすには、高い認知能力と繊細なバランス感覚が要求されます。母親はこれを成功させるためには子どもが勉強を敬遠しないようにさせなければなりません。親子両世代とも、受験は学歴や職歴に大きな影響をもたらすことを実感しています。

 このような状況では、日本の思春期の子どもが母親を主要なストレスと感じていることはそれほど驚きではありません。それは以下の自由記述からも分かります。「お母さんは全然自由時間を認めてくれない」、「朝から晩まで勉強するよういってきてうるさい」、「受験戦争に疲れている」。ある母親はこう振り返っています。「私が中学生の時、母親の要求に反発していました。しかし、現在、私は子どもに同じことをしています。子どもは私に反発して、私のことが理解できないのではないかと心配です」(Strom, Strom, Strom, Makino & Morishima, 2000)
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4. 家族の意見の相違を認めて表現すること
 思春期になると、大人と意見が異なるのは普通となってきます。子どもの感情の表出は、子どもの考え方や出来事に対する解釈の仕方を理解するうえで有効です。子どもの思考プロセスにおいて、親は子どもが他の子から受けるものとは異なるような建設的なフィードバックを与える能力をもっています。しかしながら、日本には集団の調和のためにいかなる対立も避けて、個性を軽視する習慣があります。他のどの国よりも、日本は平穏な関係を維持するために努力をしていて、その能力に対して世界中から敬意を払われています。しかしながら、意見の相違を認めて表現することは今日の真の対話には必要です。思春期の子どもは、成長する過程で他の人との意見の違いを表現しなくなった親とのやりとりを通して、対立を解決する技能を身につける必要があります。日本の母親は、私達の調査では、対立への対処の仕方のアドバイスに関する資質は望ましくないと自己評価しています。

 同様に、黒人の思春期の子どもの、44%が、父親は批判的な考えに対する対処がめったにあるいは決してよくないと評価しています。思春期に特徴的な精神的な成長は、他者、特に親に対して論理的な矛盾を見付けることを大抵ともないます。父親は子どもが初めて批判的な考え方を表明することについて、親への尊敬の欠落ではなく、知的発展の望ましい証拠であることを把握すべきです。さらに、黒人の思春期の子どもの、76%は、父親が家族内の意見の相違に対してめったにあるいは決して寛容ではなかったと報告しています。ほとんどの父親(78%)は、自分の行為は望ましくないと評価しています(R.Strom, Amukamara, Strom, Beckert, Strom, & Griswold, 2000)

 逆に、父親は思春期の子どもの批判への対処の仕方について、しばしば失望しています。白人の父親の3分の1は子どもの批判への対処の仕方にめったにあるいは決して満足していません。他の人からの批判を分析して対処の仕方を習うことは重要です。なぜなら、他者からの評価はその人の成長に必要だからです。批判は人生のどの段階でも見識(洞察力)をもたらすため、親は思春期の子どもに批判をするように教えて、そこから何かを得るようにすべきです(Strom, Beckert, Strom, Strom, & Griswold, 1999)
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5. 創造的思考をサポートするための環境づくり

 創造的な思考はテクノロジー社会では優先されるようになってきています。創造力を大人になるまで持ち続ける子どもは、退屈を避けられ、他者との意見の相違を解決でき、過剰選択に対処でき、複雑さと曖昧さを受け入れて、自立した判断ができ、賢く自由時間を過ごし、環境の変化に適応でき、新しい知識に順応して、人生に対する情熱を維持することができます。創造力を持つ人は自分だけでなく他の人のこと(福祉)まで考えることができます。幼年期から思春期に移行すると、想像力(イマジネーション)をかなり失うことがあります。幼児期の想像力が成人期の創造力に移行するようにするための効果的な方法が必要です(Torrance, 2000a, 2000b)

 日本の調査では、思春期の子どもと母親の両世代とも、母親は子どもの想像力と創造力を引き出す資質は望ましくないと判断しています。さらに、母親は自分が口を出さないで子どもが想像力を用いた遊びや作業をしながら一人で過ごすことに対しても望ましい資質を持っていないと自己判断しています。それとは対照的に、創造力の豊かな大人は、思春期の頃、自分一人の時間を過ごし、自分の想像力を楽しむ機会がかなり与えられたと振り返ります。10歳から15歳までの年齢は他のどの年齢よりもプライバシーを求めています。しかしながら、親は子どもの自由時間が創造的な行動のサポートにもたらす潜在性を見逃しています。生活が加速し、多事で、過剰スケジュールの子どもは、創造的な活動をする時間がもっと必要です(Barron, Montuori, & Barron, 1997)

 教室の生徒数や頻繁な中断(休憩時間)から、学校では一人の活動を優先することができないことが分かります。しかしながら、親は毎日放課後に子どもが一人で何かをする機会をつくる必要があります。これは中断されない自分の時間を作ることがうまくできない親にとっては特に難しいです。しかしながら、変化が必要であることを理解することにより、親は子どもが一人でいる時間を作ることができます。思春期の子どもは一人の活動を通して、他の活動でよりも想像力を働かせます。しかし、一人でいることが想像力の実践に一番良い状態とはいえ、子どもが長い時間を一人で過ごす方を好む場合は、親はその子を気にかけた方がいいでしょう。この懸念は日米両社会が外向性や社交性に対して尊重しているからです。実際、先生や親は、創造性の高い人の3分の2が内向的であることを示唆する証拠をしばしば無視します。一人でいることが、集中力や持続性や独立独行を高めるような積極的な相互関係があることを親が認識すれば、将来はよくなるでしょう。思春期の子どもは社会的スキルを獲得しなければならないが、一人でいる時間の積極的な使い方を身につけない限り、他の人に対しても与えるものが少ないでしょう(Crevar, 2001; Singer, 1999; Torrance, 2000c)
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6. 父親と息子に対する家族の期待を変化させること
 一世代前、父親は「子どもの発達の忘れられた貢献者」(Lamb, 1975)と特徴づけられました。その当時、支配的であった見方は、父親が四つの側面で子どもに影響を及ぼす責任があるというものでした。第一に、父親は主な収入源として期待されていたこと。現在では、アメリカの子どものいる既婚女性の80%が家計に貢献しています(Hesse-Biber & Carter, 2000)。第二に、父親は子どもの世話の責任を主に引き受けている妻を心理的にサポートするよう想定されていたこと。しかし、どの家族も、子どもの指導・管理は親から代理人へと移行しています(Jackson & Davis, 2000)。第三に、父親は妻の家事労働を軽減するために家事を手伝うように助言されていたこと。しかしながら、多くの父親がこの助言に従っていないことは首尾一貫して調査で示されています(Kamo & Cohen, 1998)。最後に、父親は子どもとの継続的な相互行為を通して子どもの教育に貢献する義務があったこと。しかし、ほとんどの子どもは父親よりも母親と多くの時間を過ごしています(Lamb, 1997)

 幸運にも、父親に何が期待されているのかをより的確にさせるような新しい状況が生じています。親としてのスキルの獲得を促すアプローチによって、父親の潜在能力に関する研究に関心が持たれるようになってきています。父親に対するステレオタイプを捨てることで、家族教育者は父親が子どもに与えることのできる影響(恩恵)を増やす手助けができ、以前父親が失っていた機会への取り組みができます。厚生省の「父親キャンペーン(『子育てをしない男を父親と呼ばない』)」では、70%の母親が就業している状況を踏まえて、父親が子育てにもっと参加しようと呼びかけました(Matsuoka, 1999、Makino, 1999)。白書によると、男性は平均して子育てには女性の5分の1の時間、家事には10分の1の時間を費やしています。それとは対照的に、モデルとしての役割を演じることが不慣れなアメリカの父親は、母親と同じくらい買い物をして、子育てや家事も半分ちかく関わっています。

 政府の父親キャンペーンに対する日本男性の反応は複雑でした。多くの父親は同時に二つの場所にいることは不可能であって、仕事を優先させなければならないことを指摘しました(Kageyama, 1999)。将来的に日本の長時間労働が緩和されるかは分かりませんが、一つの方法としては、親としての教育を仕事場で受けられることを可能にすることでしょう。私が開発した「親としての有効性を示す指標(Parent Success Indicator、PSI)」は、本調査で使用したものでもありますが、何を習う必要があるかを発見して、それに適したカリキュラムを提供します(Strom & Strom, 1998)。父親は子どもと同様に教育可能で、時の変化に適応できます。私の考えでは、仕事場で父親教育をする方が父親を非難するよりも建設的であると思います。日本の父親が自分をどう認識して、子どもにどう認識されているかというデータを私は持っていませんが、家族関係の改善のために、会社や財団がこの父親教育に賛同して私達と一緒に取り組んでいけることを期待しています。

 男の子はどうでしょうか。今の子どもは親世代が子どもであった頃よりも、公平さを身につけるように促されています。学校では男の子と女の子は平等であって、女の子も男の子と同様の教育や仕事の機会を持つべきであり、いかなる虐待も受けるべきでないと男の子は教育されています。その結果、母親が就労していても伝統的な性別役割分業にしたがう親に対して、思春期の子どもの多くは時代遅れであることを認識しています。その結果、子どもは他の家族を模範にして、平等で相互に満足できる関係を築く方法を模索しています。伝統的な性別役割分業に対しては、男の子の方が女の子よりも賛同する傾向にあります。アメリカの思春期の子どもに対する世論調査では、男の子の半分が、将来妻が働くことを期待していますが、女の子は86%がそう期待しています(Schrof, 1995)

 父親と男の子が家事責任を分担し始めていることは喜ばしいことです(Hirschfeld & Hirschfeld, 1999)。しかしながら、思春期の男の子のほとんどが家族責任を公平に分担しようとしていると推定するのは誤りです。黒人の父親と白人の父親は、子どもの家事遂行の失敗に対するフラストレーションへの対処の仕方が望ましくないと、子どもおよび自分自身で評価しています。中学生の 170家族を対象にした私達の調査研究でも同じ結果が得られています(Strom, Strom, Strom & Collinsworth, 1994)。親は子どもに割り当てた家事をさせることが不得手であることを親子両世代が認めています。大人はこの状況に対して、昔女性が家にいた頃に比べて今は家をきちんと整頓しておくことはさほど重要ではないし、家族それぞれが忙しいスケジュールにより家事を遂行できないし、家事に関する言い争いをして子どもとの良好な関係を壊すのは好ましくないなどの言い訳をします。

 親の多くは自分達ですべての家事を遂行した方が問題が少ないという結論を下しています。この結論は多くの中年女性が抱える問題に結びついていて、よい判断とは言えません。中年女性は子供の世話、夫の世話、雇用者を満足させる仕事、家事、老親の世話などの責任を抱えて過剰負担となっています。しかし、この不平等な悪循環を断つには、母親が息子に対して家事をするように主張することにより、将来の平等社会で息子が良き夫となることにつながることを母親は理解していないようです。家事の義務が無く、学校でよい成績を取ることだけを期待された子どもは、社会が大人として要求する相互依存関係の心構えが充分にできません。親は息子と公正であることの責任について常に話し合うべきです。日本や中国のような国では、長年のタテ社会の伝統をもつため、そこにヨコ社会を強調するような適切な新しい関係を作り出すことは、挑戦となります。
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7. いじめる子とその親に対する特別な教育の提供

 600万人のアメリカ人の子ども(全生徒の10%)がいじめの問題があると答えています(Centers for Disease Control, 1998)。このことにより、国の情緒的・社会的発達における安全とサポートに関する優先リストの順位は改訂されました。一般的な誤解としてあるのは、いじめは自然なことで、ある年齢の時に経験するが、成長するにつれてなくなるという認識です(Seligman & Rosenham, 1997 )。これに反して、調査は逆の結論を導いています。いじめ行為は自然なことではないため、いじめから立ち直るための努力が若いうちから必要だということです(Olweus & Limber, 1999)

 ミシガン大学の心理学部では、500人の子どもを対象として、8歳から30歳になるまでの22年間に及ぶ縦断調査を行いました(Marano, 1995)。その結果、いじめる子は他のクラスメートに比べて更生(調和、調整)するのに多くの問題があるということが分かりました。小学校の時に、けんかをしたり、人を押したり、人の物を盗ったりしはじめた人は約25%が30歳までに犯罪歴がありました。それとは対照的に、いじめをしたことのない人は5%以下しか30歳までに犯罪歴はありませんでした。

 人々の予想に反して、いじめをする子の多くは、頭が良く、成績が良く、自信を持っている人です。このような長所により、先生はそのような子が感情移入のできない大人になることの危険性を過小評価してしまいます。政策立案者は教育者に対して、いじめの問題は他の障害と同様に深刻に考えて欲しいと願っています。読むことに問題のある生徒に対しては、学習指導をすることで改善されることを期待しています。しかしながら、いじめの問題に対しては、先生の反応は異なっています。そのような場合は、いじめをする子どもの学習能力はしばしば無視されて、どのような罰を与えるかが吟味されることになります(Hyman & Snook, 2000)

 生徒が情緒的に未成熟であったり、社会的スキルを持っていない兆候を見せた場合、教育者は手助けする自信がなく、学校はそのような生徒に対してまるであきらめるかのようです。しかし、麻薬を吸う生徒や妊娠した生徒に対しては、立ち直れると考えているために、特別なクラスが設けられています。このような考え方は、自己抑制や他者への思いやりが不足している情緒的・社会的問題のある生徒にも適用すべきであります。

 低い自尊心がいじめをする要因とされることがありますが、これに反して、高い自尊心と暴力には強い因果関係があります。調査者が導いた結論によると、暴力は現実味のない高い自己概念を持つ人が自尊心を傷つけられそうな相手に対して攻撃することによって生じることが多いということです。このような厄介な人たちは、いじめ、人種差別主義者、ギャングのメンバー、組織犯罪者、強姦犯罪者、暴力的な精神病者を含んでいます。いじめをする人の自己概念の好都合な点は、思春期の終わりか成人期の初めまで自分が仲間からどのように思われているかということに気づいていないという点です。いじめをする人は小学生から中学生までの間は一人か二人の友人と交際しますが、その友人は無理やり破壊的(有害)な望みをかなえるのを手伝わされていると感じています。いじめる人は自分の社会的状況は自然であると思っています(Marano, 1995)。いじめる子は仲間からどのように見られているかということに気づかない社会的な盲目により、他の人に感情移入をせず、自分が犠牲にしているクラスメートの望みも考えないという特徴があります。

 「対人関係に関する能力指標」(Interpersonal Intelligence Inventory)は私達が考案した25項目からなる尺度です。いじめっ子だと言われている生徒が仲間にどう見られているかを自己認識と比較して知ることができます(Strom & Strom, 2001)。いじめる子が自分の置かれた状況を正確に理解して改善するためには、このような診断的な戦略が必要です。
 いじめる子の親を教育することは必要です。なぜなら、クラスメートを虐待する生徒はしばしば家庭で虐待されているからです。いじめる子の親は子どもとの相互行為において、普通の親子とはかなり異なっていることが調査で分かりました(Olweurs & Limber 1999)。いじめる子の親は、他の親の接し方とは違って、子どもを誉めず、励まさず、良いユーモアを言いません。いじめる子が家庭で主に経験する対応は、侮辱、いやみ、批判です。

 いじめる子は仲間の社会的学習に影響を与えます。いじめに対して否定的なフィードバックを得なかったいじめっ子は、仲間にとって逆機能モデルの象徴になります。なぜなら、何の不安な結果も伴わないで攻撃ができるということを意味するからです。このようないじめる子の行為を見たあとでは、傍観者がいじめっ子のような行為をする傾向が強まるかもしれません。いじめる子が仲間のモデルになるという説は、いじめの80%以上に傍観者がいるという調査結果(Craig & Pepler, 1997)から導いています。多くの場合、いじめの見物人に進んでなるといじめは強まります。いじめの犠牲者のために生徒がもっと介在したくなるような状況をつくることが重要です(Naylor & Cowie, 1999)

 いじめる子に挑戦する生徒はほとんどいませんが、そうする生徒は社会的地位の高い人です。いじめに対する仲間の介在をもっと頻繁にしてもっと効果的にするためには、生徒の意識を高める必要があります。すなわち、いじめを受けている人に対して感情移入を示して行動するという個人としての責任についての意識です。さらに、生徒は、犠牲者をサポートできず、情け深い個人としての将来を危機にさらしている静かな傍観者に対して、戦略を教えて、勇気を示す励ましができなければなりません。いじめ行為が集団現象である場合は、仲間の参与が確認され、仲間に対して状況を変化させることを促すような方法に注目する必要があります。いじめの犠牲者(屈辱と苦痛に苦しむ)やいじめる子(他者を傷つけ、自分の社会的・情緒的成長を危険にさらしている)に加えて、目撃者(不正に対する終生続く反応を形作る過程にある)もまた考慮する必要があります(Samivalli, 1999)

 いじめに一人で対処しようとする子どもは、親からの助けがもっとも良い解決であるときでもそれを求めることができなくなります。都内のある中学校のY君のケースがこれに当たります。彼はいじめを継続的に受けていることを両親にも先生にも打ち明けませんでした。彼の両親はいじめの証拠がありながら何の対処もしなかった学校側に対して訴訟を起こしました。学校といじめた子どもに対する起訴は日本で初めてでした。2001年の1月、裁判所は、提出された事実から学校側の怠慢と言うほかないと述べて、学校側といじめた子どもの親に対して損害賠償の支払いを命じました。私達の調査においても、日本の母親は、いじめや非行少年グループへの対処の仕方を子どもに教えることは不得手であると自己評価しています。同様に、黒人やヒスパニック(ラテンアメリカ系)の母親もいじめや非行少年グループから子どもを助けることは不得手であると自己評価しています。カイザー家族財団(Kaiser Family Foundation)の研究によれば、アメリカの中高生の61%がいじめに関して親に打ち明けておらず、その理由は親に心配をかけたくないから、あるいは、親が自分は無能であると思わないでほしいからです。

 いじめる子を更生させるカリキュラムをつくる学校は、いじめっ子が他の子と仲良くやっていくための社会的スキルを身につけられると考えています。懐疑論者はいじめっ子のクラスと親が実質的な解決になるのかどうかを疑うでしょう。今までは、学校は生徒の問題が社会的スキルの不足や情緒的未熟である場合、治療法を考える義務はありませんでした。部分的な理由としては、教育者が人間発達の領域の欠如に対応する訓練が不十分であったためです。しかし、このような問題が一般的になってきているため、学校は本気で取りかかる必要があります。生徒に対する期待の範囲は、他者に敬意を持って接するという礼儀正しさも含まれるように広げなければなりません。クラスメートをいじめる子は社会的発達において失敗していることを自覚しなければなりません。そのかわり、いじめをする子に対して他の特別な指導を受けている生徒と同様に援助をすべきです。
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結  論
 親は何を習得すべきかが分かり、それに適した教育にアクセスできれば、もっと子どもに対して効果的な影響を与えられます。母親も父親も自分の限界を見付けることはできますが、自分だけの判断では、成長のある側面を見落としてしまいます。親子両世代からの視点により家族の相互行為を調査すると、親の行動とその影響について、より正確な効果(印象)を得ることができます。このような方法で(親・親子関係の)成功を明らかにすることにより、個々の親は親としてとるべき道を見きわめられて、家族の調和を保つことが可能になります。
 以下は本講演の要点であるとともに、今後、日米両国が取り組まなければいけない課題を最後にまとめます。

   1. 若い人の考えや価値観を大人が認めて、相互的な教育を行うこと。
   2. 家庭や職場で男女平等の関係を築くこと。
   3. 生産性と生活の質の両方をサポートするような適切な期待をもつこと。
   4. 面目を失うことなく、意見の相違を認めること、および、表現すること。
   5. 急速な社会変化に適応するために、創造性を育てること。
   6. 父親の役割が重要で満足なものとなるように、父親の教育を行うこと。
   7. 協力関係が社会的発達にとって重要であるという認識を持つこと。
   8. 教育の再建により、いじめる子の態度に向き合うこと。
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