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ビデオゲーム

 第1号の特集では、法政大学の稲増龍夫氏の監修により、「ビデオゲーム」。ビデオゲームに対する一般的な関心としては、「子どもたちがビデオゲームにばかり熱中してしまう」「てんかんを引き起こす」「自閉的な子どもが増える」「自然から遠ざかる」といった、子ども論の立場からなされるものがほとんどだ。しかし、本特集ではまずビデオゲームの実態を把握するために、子ども論よりもむしろメディア論からビデオゲームに接近した。

 ビデオゲームを批判する人々が見落としがちなのは、ビデオゲームがたんなる遊び道具にとどまらず、潜在能力を期待されるメディアでもあるという点だ。子どもに悪影響があるはずだと非難されながらも、インタラクティブなメディアであるビデオゲームは、映画やテレビに代わる次世代メディアの1つとして注目されている。また、教育関係者の間でもビデオゲームを利用した教育ソフトの研究は進められている。このような現状からすれば、大人社会がマルチメディアとどう付き合っていくのか、その方向を探った上でなければビデオゲームに関しての成熟した議論は成立しないだろう。本特集では、ビデオゲームの実情に詳しい論者たちが、具体的な可能性や問題点を指摘しながら、不足しがちな理論的および実証的なビデオゲーム論を展開した。

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