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子どもと英語新時代

 第5号の特集は異文化ジャーナリストのあわやのぶこ氏の監修による「子どもと英語新時代」。明治以来の文法英語、翻訳英語ではなくて、コミュニケーションのための使える英語と言われ続けて久しいが、目立った改革もないままに、日本も国際化時代に突入した。英語力は相変わらず世界の最低レベルでありながら、使える英語の要望はますます強まっている。今や欧米だけではなくアジアにおいても英語は必須のコミュニケーションツール。「使える」はたんなる英会話のレベルから、自己表現のレベルへとステップアップした。

 現在注目されているのは頭脳の柔軟な子どもたちに可能性を託すことである。テレビの幼児番組にはかならず英語のコーナーが設けられ、早期英語教育もさかんだ。文部省は小学校への英語教育の導入をめざしている。大人の社会で英語の要望が高まることで、子どもの世界にも英語教育の波は押し寄せているのだ。しかし、日本人の外国語習得のつたなさの根底には、異文化に対する無理解と目的意識の欠如がつねにつきまとっている。国際社会とは何なのか。英語で誰に何を語るのか。その根本的な問題に大人がきちんと答えを出さないかぎりは、英語教育の歴史は同じことが繰り返されるのみであろう。本特集では、英語の学習の仕方ではなく、英語を使う目的や英語を使う環境を変えていくことを念頭に、その内容を構成した。

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