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少子化時代の子ども

 第8号の特集は「少子化時代の子ども」。1995年1月28日(土)、福武書店(現ベネッセコーポレーション)東京ビルで行われた「第一回子ども学シンポジウム」の内容をまとめたものだ。また、採録に当たっては、少子化に関するいくつかの論文も、「少子化の行方」として合わせて付け加えた。

 子どもを産む産まないの決定は、個人の権利であり、女性の人権と深く関わる問題だ。とくに就労する女性が働きながら安心して子育てができる条件が整っていない以上、子どもの数が減っていくのは必然とも言える。女性の晩婚化は原因と言うよりも、結果と受け止めるべきだろう。

 私たち大人は、子どもの数が減っているという現象について、その原因を探ることよりも、その結果が子どもにどのような影響を与えるのかを知らなければならない。そして、少なくなった子どもたちに合わせた生育環境を早急に整えていかなければならない。本特集で、問題提起された、子ども集団の崩壊、早期教育の激化、学校および小児科医院の経営難など、検討しなければならない問題はさまざまに控えている。未来の子どもの数を増やすことを考えるよりも、まず少子化時代の子どもの現状に目を向けることを始めたい。


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