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早期教育と子ども

 第11号の特集はお茶の水女子大学の無藤隆氏の監修による「早期教育と子ども」だ。早期教育については、現在賛否両論ともに激しいものがある。賛成論を述べるものは、人間形成の鍵は幼児期にあるとして、組織的な早期教育こそが子どもの未来を約束すると力説する。また、反対論を述べるものは、早期教育がいかにまやかしに満ちた、子どもの成長をゆがめるものであるのかを声高に訴えている。テレビで取り上げるような極端な早期教育は、都会のごく一部の層の話であろうが、今や幼児をめぐる教育は、昔ながらののんびりした姿ではなくなっているように見える。

 しかしながら、早期教育と言ってもそのタイプはさまざまなものに分かれている。決してすべてが就学後の学力向上を意図した知育教育ばかりではなく、幼児のお遊戯教室のようなたわいないもから、スイミングスクールのようなスポーツ関連のもの、ピアノ教室のような音楽関連のものまで、その種類も千差万別だ。また、昔ながらのお手玉やおはじきだって、考え方次第では早期教育の範疇に入ってしまう。本特集では、早期教育という名ですべてを括ってしまわないで、子どもの成長にとって何がふさわしいかを基準にし、子どもの発達に害を与えずに、よい働きをする幼児教育の条件を探っていった。問題はその中身の善し悪しとともに、親と子どもとの関係のつくり方である。

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