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現代っ子と健康

 第13号は日本総合愛育研究所の加藤忠明氏の監修による「現代っ子と健康」。感染症で死亡する子どもが少なくなり、子どもの病気の様相も様変わりしている。栄養状態も衛生状態も改善され、予防注射や抗生物質でさまざまな細菌が駆逐された現在、いったん病気と判断された子どもの多くは、アレルギー疾患や小児成人病のような治りにくい病気であることが多くなった。その対策も、臨床による治療から予防や生活習慣の調整へと発想の転換が求められている。一本の注射で病気を治すという考え方から、ふだんの生活に意識を向けて、自然治癒力を活かすという考え方にシフトしているのである。

 最近は無病息災という言葉ではなくて、一病息災という言葉が使われるようになった。人間は1つや2つの病気は抱えているのが当たり前で、それを悪化させないように健康に気を配って生きるのが、完全な健康体をめざすよりも無理のない生き方だということなのである。また、子どもたちの間では、比較的原因が分かりやすい身体の病気だけではなく、精神的な原因による体の変調も問題になっている。本特集では、環境の見直し、セルフケア、東洋的健康法などについても触れながら、心身および生活も含めたトータルな健康についてまとめている。

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