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ネットジェネレーションの教育

まえがき
 情報社会とグローバル化の進展は、多くの豊かさを人々にもたらした半面、過労死やホームレス化する若者など、多くの社会問題を引き起こした。コンピュータが普及する以前、膨大な調査や資料調べは1日がかりの仕事であったが、今では、データベース化された資料から、特定のキーワードに該当する案件をピックアップする作業は、数分の仕事である。数分でできる仕事を1日がかりでしかできない人材は、“効率化”を求める会社では不要な人材となる。したがって、デジタルデバイドは人々の経済格差を引き起こす一つの要因といわれている。もちろん格差を生む要因は多様であるが、“効率化”は、非効率的な様々なものをそぎ落とし、地域のコミュニティーに潤いを与えていた雑草を淘汰してしまったのは事実だ。
 潤いを失ったコミュニティーは、「居候」を許容できずはじき出してしまった。だが、助け合いの共同体の芽が少しずつ芽吹きはじめている。その一つがシェアハウスだ。シェアハウスは、イスラエルの伝統的な共同体“キブツ”に似ていて、一つの家に複数の若者が共同で生活をしている。異なる環境で生きてきた人々が共同で生活する以上、制約もあるだろうが、潤いを失ったコミュニティーでは学べなかったことを学んでいる。シェアハウスの若者たちは、日々ネットでアルバイト情報を探し、ケータイで仕事の契約を取り交わしている。もちろん、一頃「勝ち組」などともてはやされたヒルズ族らにとっても、ケータイとネットは日々欠かせないツールである。
 ネット社会に生きる現行世代、そしてこれからネット社会に踏み込もうとする子どもたちにとって、ケータイやネットをツールとして有効に活用する情報リテラシーは必要不可欠である。

著者紹介
加納寛子(かのう ひろこ)
現在、山形大学学術情報基盤センター 准教授。専門は情報教育、情報社会論。文部科学省委託事業「子どもの安全に関する情報の効果的な共有システムに関する調査研究」では、Mind Mapによる子どもの心の動きとGPS情報をリアルタイムに保護者に伝えることによる、犯罪を未然に防ぐ対策を推進してきている。また、科研費研究では「高等教育における情報リテラシー格差是正に資する研究」をテーマに、情報リテラシー格差と家庭環境や生活習慣、得意教科等との関連の調査を実施している。さらに、三菱財団研究助成を受けた「ニート・フリーターおよび不登校児童・生徒とITの関わりに関する調査」では、職業の志向性と家庭環境や生活習慣、得意教科等との関連の調査を実施した。 東京学芸大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修士課程修了、早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士後期課程満期退学。


主著(編著)
ネットジェネレーション―バーチャル空間で起こるリアルな問題 現代のエスプリ 492』至文堂 (2008)
ネットジェネレーションのための情報リテラシー&情報モラル〜ネット犯罪・ネットいじめ・学校裏サイト』 大学教育出版 (2007)
情報社会論〜超効率主義社会の構図』北大路書房 (2007)
サイレント・レボリューション〜ITによる脱ニート・脱フリーター』ぎょうせい (2006)
実践 情報モラル教育〜ユビキタス社会へのアプローチ』北大路書房 (2005)
児童生徒が喜んで挑戦するコンピュータ課題集〜情報活用力の育成を目指す』明治図書 (2003)
ポートフォリオで情報科をつくる〜新しい授業実践と評価の方法』北大路書房 (2002)

共著(分担執筆)
教育課程 重要用語 300の基礎知識』 明治図書
数学する心を育てる課題学習・選択数学・総合学習の教材開発』 明治図書
教育評価読本−−教育課程審議会答申の徹底理解
教育開発研究所 また、高等学校普通科「情報A」及び「情報C」の文部科学省検定教科書の編集協力及び,両教科書の指導書執筆の経験もある。
【連絡先】E-mail :kanoh(アットマーク)kdw.kj.yamagata-u.ac.jp



第1回
情報リテラシー (2007/11/22)
これからのネット社会を生きるために、必要不可欠なリテラシーとは?




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