トラウマを経験した子どもを助ける |
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暴力や災害などの外傷性ショックを経験した子どもや若者を助けるためには早期に介入することが重要である。親、教師、精神衛生専門家らが、彼らの回復を助けるためにできることが沢山ある。トラウマが生じるようなことが起こったらその場で、すぐ助けることを始めなければならない。 災害救援者の対応 退役軍人省の国立外傷後ストレス障害センター(National Center for Post-traumatic Stress Disorder)は、災害現場の救援者たちには以下のようなことを行うべきである。
家族の対応 暴力や災害の後では、家族が彼/彼女を助けることのできる最も重要な存在である。親やその他の大人ができることはつぎの通りである。
学校の反応 暴力や災害が学校や地域社会全体にふりかかったときは、教師も学校の管理者も癒しの過程で大きな役割を果たすことができる。教育者のできることには次のようなことがある。
ほとんどの子どもと若者たちは、上述したようなサポートが与えられたら、外傷性ショックを受けた経験から生じた恐怖や不安から、数週間でほぼ完全に回復する。しかし、中には癒されるにはもっと時間をかけてサポートを必要とする者もいる。愛する者、先生、友だち、ペットを失った悲しみから立ち直るには何ヶ月もかかることもあり、マスコミの報道や命日などにより思い出して再び悲しみに沈むこともある。 トラウマの原因となった事件の直後、またその後数週間は、深い悲しみや何か別の強い感情のために、さらに強力なサポートと治療を必要とする若者を特定することが大切である。精神衛生専門家の助けを必要とする子どもや若者たちの中には、事件の起こった場所を思い起こさせる場所へ行くのをいやがったり、拒否する回避行動を示す者や、物事に対する情動反応が少なくなり、感情が欠如するなどの感情麻痺を示す者がいる。もっと通常の反応、つまりトラウマを再体験したり夢でうなされたり昼間に思い出して不安になったり、驚きやすくなったりするなどの状態を示す若者は、親や教師から元気づけられるとよく反応する。 出典:国立精神衛生研究所出版物第013518号より抄出。 |