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12月
12月

〜子どもの願いと悲しみと(6/6)〜

<今月の本>エッツ&ラバスティダ作 『クリスマスまであと九日』



 迷った末に、セシは黙って輝いていた大きなお星様を型どったピニャタを選びます。おかあさんもとても気にいってくれました。「あれは、あかちゃんの イエスさまが、どこに いらっしゃるかを、えらい はかせたちに おしえた お星さまなのよ」とセシに説明してくれます。

 そして次の日、待ちに待ったセシのポサダの日がやってきました。
 その夜のために、家族総出で準備にとりかかります。しかし、セシには、心配ごとが生まれ、それがだんだん膨らんでいきます。その美しいお気に入りのピニャタは、実はポサダのクライマックスに、最後には、誰かに破られるものだと知らされるからです。

 「みんなに あたしのピニャタを わらせないで!」

 必死のセシの願いも、お兄さんのサルバドールは、おまえもいっしょに破るといいといって、みんなと笑っているばかりです。
 そして、突然、ガラガラという大きな音と、子どもたちの歓声が響きます。
 その時、奇跡が起こります。それは・・・。

 私の友人で画家の峰丘さんは、シケイロスに憧れてメキシコで長年暮らしたことがあります。彼の話では、メキシコの人たちは村を挙げて心からポサダの日を祝うそうです。素朴で、美しくて、楽しくて、すばらしいクリスマスの行事だということです。
 「日本では、何日も続けるようなお祭りも行事もすっかり姿を消しましたね」と、懐かしそうに、ちょっぴり残念そうに語ってくれました。

 (この本も残念ながら絶版ですので、書店で見つからなければ、図書館で探してください)


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