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●【特集】虐待を学ぶ
(2004年2月6日)

2000年に施行された「児童虐待防止法」で、虐待の内容が「身体的」、「性的」、「ネグレクト(放棄)」、「精神的」と示された。虐待とは、決して「殴る」「蹴る」といった暴力的なものだけでなく、もっと広い範囲のことを意味しており、誤解を避けるために「アビュース(abuse)」という言葉を使う専門家・研究者もいる。


調査報告書から学ぶ

『モノグラフ・小学生ナウ』VOL22-1では、「チャイルド・アビュース」という言葉を用い、性的なものを除いた3領域を取り上げ、小学生かそれ以前に親によって行われた「適切ではない扱い(アビュース傾向)」等について調査している。(中学生824名対象。2001年実施。)

調査報告書によると、精神的な内容のアビュースは、他の2領域(身体的・ネグレクト)に比べて頻度が高いことが指摘されている。大きく「言葉による脅しと無視」「親の不和」「親の権力の濫用」「自尊心の侵害」がそれに該当するそうだ。

本書では、子どもに向けられたアビュースの現状だけでなく、アビュースが子どもに与える影響についても丁寧に考察されている。残念ながら本誌は在庫切れのため入手できないが、PDFファイルにてCRNサイト上にて公開されている。

参考:モノグラフ・小学生ナウ VOL.22-1 チャイルド・アビュース―親による適切でない扱いの影響―


書籍から学ぶ

「BOOKおすすめの本」では、子どもの人権専門委員の大竹章喜氏が『子ども虐待の福祉学―子どもの権利擁護のためのネットワーク』(浅井春夫著・小学館)を取り上げ、児童虐待にどう対応すればよいかコメントしている。本書でも虐待を「子どもとの不適切なかかわり方」ととらえている。

参考:BOOKおすすめの本 「進研ニュース中学版」平成14年11月1日版


海外のニュースから学ぶ

The Brown University Child and Adolescent Behavior Letter(略称・ブラウン大学ニュースレター)には、児童や青少年に関する最新の研究成果や情報が掲載されています。CRNに掲載された記事から虐待に関するものをピックアップしてご紹介します。

*5歳以下の子どもの頭部の重傷のほとんどは虐待によるものの可能性が高い、という報告が北米放射線学会で発表された。(Vol.19,No.2,February 2003より)

*子どもの虐待を巡る現在の裁判制度にはさまざまな問題点がある。第一に、虐待を行なった親の責任を問う姿勢があやふやであること、裁判所側に性的虐待を受けた子どもをしっかり保護するといった意識が低いこと、裁判官自身が子どもについての知識が少ないということ、また家庭裁判所がプライバシーの問題などから非公開であるのも、公正な裁判が行なわれる上で障害となっている。関係者それぞれが虐待に関する知識を深め、また公にその裁判の是非を問う制度を作ることが、今必要となっている。(Vol.18,No.4,April 2002より)

*(性的及び肉体的)虐待や無視の被害者となった子供は、PTSDとなる危険が増加する。(Vol.15,No.10,October 1999より)

*幼児虐待は、青春期の行動機能に影響を及ぼす。(Vol.15,No.8,August 1999より)


みなさんはどう思いましたか?

CRNには、子どもに関する様々な問題・テーマを議論する場として会議室/Forumがあります。
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