東アジア各国で共通する子ども問題の一つである少子化を取り上げます。
少子化について、年金や税金などの社会制度や国力維持の視点から問題視され、議論されることが多いが、それによる急速な社会環境の変化は子どもの成長・発達に何らかの影響を与える、という視点では十分にとらえられていない。
出生率の低下は20年以上前から始まっていることを考えると、いまの子どもたちは、既に子どもの数が少ない社会で育っているといえます。
CRNでは、少子化社会における子どもの成育環境を新しくチャイルドケアリング・デザインしなければならないと考えています。
そのためには、少子化は子どもの成長・発達にどんな影響を与えているのかを検討する必要があります。良い影響、悪い影響、あるいは影響はないのかもしれません。
本シンポジウムでは、文化的に共通項の多い東アジア各国から研究データを持ち寄り、検討をしたいと考えております。例えば、各国で見られる子ども問題は、少子化と何らかの関係があるのか? また、それぞれの国で見られる現象は、他の国において大いに参考になることは明らかであると思われます。例えば、
一人っ子政策を20年以上進める中国の子ども学研究から学ぶことは多々あるでしょう。
子どもの数が少なくても多くても、子どもは幸せに育つ権利があります。
子ども中心の少子化社会を、東アジア各国の研究者とともに考えることが、本シンポジウムのねらいです。
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