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6月
6月

〜絵本の楽しさを共有する時間とは?(3/4)〜

<今月の本>
ヨーレン作 『月夜のみみずく』、アーノルド・ローベル作 『ふくろうくん』、『ぼくのおじさん』




《親子で楽しむ今月の絵本》――(いずれも、読んであげるなら5歳ころから)

 今月は特に朗読に向いている3冊を選んでみました。私はこれらの絵本を、ピアノの演奏と合わせて、いろいろな所で朗読しています。ファミリー・コンサートの会場で、講演会のホールで、幼稚園、保育園や老人ホームで。幼児からお年寄りまで、それぞれに楽しんでくれます。もちろん、親子で静かに読むのも、忘れられない思い出となるでしょう。

球 『月夜のみみずく』(ヨーレン詩、くどうなおこ訳、ショーエンヘール絵/偕成社)
球 『ふくろうくん』(アーノルド・ローベル作、三木卓訳/文化出版局)
球 『ぼくのおじさん』(アーノルド・ローベル作、三木卓訳/文化出版局)


月夜のみみずく

『月夜のみみずく』―― 父と少女の幻想的な体験

 冬の夜更けに、幼い少女の「わたし」はとうさんと、みみずくを見に、深い森へ入っていきました。夜汽車の音を遠く聴きながら、雪の積もった月夜の晩に、足音を忍ばせて、歩いていきます。そして、とうとうみみずくに出合います。詩のような文章に、静まりかえった夜の森の美しい絵をあわせ、ひたすらに「わたし」の独白体で語られていきます。「――それが とうさんに おそわったこと」だったと。

ふくろうくん

『ふくろうくん』―― 一風変わったふくろうくんのエピソード

 「ふくろう」を主人公にした、ちょっと風変わりな短編集(ショート・ショート)です。一見、おとな好みの味わいですが、子どもたちも大好きになります。
 〔おきゃくさま〕では、暖炉でくつろいでいる「ふくろうくん」に、「ふゆくん 」というおきゃくさまがきて、部屋中に雪をまき散らして出ていきます。あわてて追い出して、やっと、夕食の続きを食べるというお話。
 〔こんもりおやま〕は、自分がベッドに入ると現れる、こんもり並んだ小さな2つのお山(それが何かは、絵を見ればすぐわかります)。ふくろうくんはいろいろ話しかけてみます。追い出そうとします。でも、結局ふくろうくんが逃げ出して……。
 〔なみだのおちゃ〕は、悲しいことをいっぱい思い浮かべて、ゆわかしに溜めた自分の涙でおちゃを飲むというお話。
 〔うえとした〕では、階段の上と下の両方に一度にいようとするふくろうくんの奮闘ぶりが、ちょっぴり哲学的でユーモラス。
 〔おつきさま〕は、高い夜空のお月さまを友だちだと思うふくろうくん。最後に自分の部屋の窓から見えたお月さまに感激し、幸せな気持ちで眠りにつきます。


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