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12月
12月

〜子どもの願いと悲しみと(4/6)〜

<今月の本>エッツ&ラバスティダ作 『クリスマスまであと九日』



 幼い少女セシは、大好きな幼稚園もクリスマス休暇に入り、メキシコのクリスマスである「ポサダの日」を楽しみにしています。「ポサダ」とは宿屋という意味ですが、メキシコではクリスマス・イヴまでの9日間、毎晩、地域の家々を巡って行われる行事です(詳しいことは、絵本を見てのお楽しみ)。

 原題は”NINE DAYS TO CHRISTMAS”です。
 今年のポサダの日は、セシにとって特別の意味があります。ひとりの女の子が人生で始めて、自分が主役となるポサダの日を許されたのは、成長したと認められた証なのです。

 セシには、とても しんじられませんでした−−あたしのポサダを してもらえるなんて!

 ポサダの日のクライマックスには、紐をはって、そこに大きな「ピニャタ」という素焼きのオブジェを下げ、目隠しをした子どもたちが棒で破るのです。ちょうど、日本の西瓜破りと運動会のあんパン競争(糸にあんパンをぶら下げて揺すっているのを、口でくわえて走る競争競技)を合わせたようなイベントです。「あたしのポサダ」を許されると、自分でそのピニャタを選ぶ権利が与えられ、その中に家族でチョコレートやボンボン、キャンディーなどを詰めます。

 ピニャタが破られると、中から詰め物が飛び散り、それを大騒ぎをしながら子どもたちが拾うのです。それはまた、ちょうど日本の建前(新築の家の骨組みができたときのお祝いの儀式)で、屋根の上から、丸めたお餅やおひねりにした5円玉、みかん、キャラメルなどを撤いて、おとなも子どもも騒ぎながら拾い集めるのと、雰囲気が似ています(そんな、子どものころのことを思い出してしまいました)。


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