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12月
12月

〜子どもの願いと悲しみと(3/6)〜

<今月の本>エッツ&ラバスティダ作 『クリスマスまであと九日』



 もちろん、かなえられない願いもあることを知るでしょう。その方が多いかもしれません。それでも、その悲しみを乗り越えて、願いを持ち続ける人であってほしい。それは、いまでも変わらない、私たちの願いです。
 子どもたち自身が、自分の願いをかなえてくれるのは、両親でもサンタクロースでもない、自分自身だと気づくかもしれません。そして、かなえられない願いもかなえようとすることに、人生のすばらしさを感じてくれたら、どんなにうれしいことでしょう。

《今月選んだ本当のクリスマス物語》

 クリスマスにちなんだ絵本や物語はたくさんありますが、あまり目だたないけれど、実にすばらしい一冊を、今月はぜひご紹介したいと思います。
 子どもの心にやどる悲しみの有り様や、それがどのように癒されて、自然なかたちで日々のくらしの中で、乗り越えられていくか、静かに物語っています。
 同時に、いったい、クリスマスとは本当は何であるのか、ということも、改めて教えられ、民族の文化や宗教というものについても、深く考えさせられます。


クリスマスまであと九日

エッツ&ラバスティダ作『クリスマスまであと九日』

(たなべ いすず訳/冨山房)

 副題に「セシのポサダの日」とあるこの本は、何度もご紹介している、マリー・ホール・エッツが絵を描き、メキシコの少女を主人公に、実際にメキシコの宗教行事であり、文化であるクリスマスを追って、子どもの心の流れを描いた物語絵本です。
 「この本を作る おてつだいを してくれた メキシコの 小さなおともだちと そのおとうさん おかあさんたちへ」という献辞のことばが冒頭に載せられ、エッツ女史の謙虚さと愛の深さを伺わせます。


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