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![]() コミュニケーションの基本って?人やモノやできごととのかかわりによる経験の再構成が、学びのプロセスであるとするならば、よりゆたかなかかわりの場を用意することがワークショップには求められる。ワークショップのテーマが決まれば、具体的にデザインするのは、どのようなかかわり─コミュニケーションを通してそのテーマへ近づいていくかということになる。すなわち、ワークショップのデザインについて考えるということは、ある状況におけるコミュニケーションのあり方について考えることであるとも言えるだろう。 * * *
群馬県立あさひ養護学校(群馬県桐生市)で開催された「障害児のためのメディア・アート・ワークショップ」で、「たのしさ倍増ケイカク〜コミュニケーションの軌跡をまとう」を大木友梨子さん(e-とぴあ・かがわ)と一緒に担当した。「たのしさ倍増ケイカク」とは、「よろこびは伝え合うと倍うれしくなる」ということをワークショップを通してやってみようというもの。「コミュニケーションの軌跡をまとう」という手法は、昨年の苅宿俊文先生(NPO学習環境デザイン工房/大東文化大学)のワークショップ「Tシャツではなそうよ、ねぇ」からアイディアをいただいた。すなわち、このワークショップは、楽しさやうれしさを伝え合うというやりとりを重ね、そのコミュニケーションの軌跡を目にみえるかたちで身体にあらわしていくというもの。 * * *
このワークショップの参加者には会話することが困難な子もいた。スタッフの大学生たちは、子どもたちとどのようにやりとりすればいいのかということについて心配していた。会話が成立しないのならそれはコミュニケーションができないということなの?と彼らは気にしていたのだ。議論を重ねるうちに、「手をぎゅっとにぎるのもコミュニケーションだよね」「目が合うだけでもいいんじゃない?」と、それまでしばられていた「言葉のやりとり」を越えたコミュニケーションのあり方にみんなが気づきはじめた。もしかしたら、うまく言葉にならないかもしれない。でも笑顔でセロハンを渡せばかかわろうとする心が伝わり、お返しとして2枚のセロハンを受け取ることができれば、そのコミュニケーションは成立したことになる、と。
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あさひdeアート2004 (ポスター画) 「障害児のためのメディア・アート・ワークショップ」は、前回(「コミュニケーションの軌跡」)紹介した群馬大学フレンドシップ事業による県立あさひ養護学校でのワークショップの第2回目。このワークショップの今年のテーマは光、「あさひdeアートはいろんな光の発信基地」。茂木一司先生(群馬大学教育学部)のプロデュースで、第2回目の12月19日には、「たのしさ倍増ケイカク」を含め、3つのワークショップが企画されました。ナトリウム灯やLEDを用いた光による色の見え方のちがいを楽しむ「光のバースデーパーティー〜光と色のふしぎ体験!」は岩井俊雄先生(東京大学先端科学技術研究センター)によるもの。ビデオの逆転再生機能で映し出された映像に影絵を重ねる「光も逆転!?逆転時間で遊んじゃえ!」をナビゲートしたのはNPO学習環境デザイン工房を主宰する苅宿俊文先生。ワークショップの最後には、参加者の白いポンチョをつなぎあわせた大きな光のカーテンができました(写真3)。やさしいセロハンの光が、ゆたかなやりとりの跡を見せてくれています。
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