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CHILD RESEARCH NET FORUM


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題 名: 米国の場合
投稿者: 54
日 付: 1997年 02月25日(火) 16:21:34

3月8日のシンポジウム・テーマ「中高生のデジタルな友達づくり」に

関して、保護者のための育児・教育に関する米国のウェブサイト「Parent Soup」のディ

スカッショングループで、米国の保護者の意見を聞いてみました。



「現在日本では(特に都市部において)、携帯電話やポケベルを持つ中

高生が増えており、持っていない子どももチャンスがあれば持ちたいと

希望している現状についてどう思うか。それが子ども達の友達づくりに

必要なコミュニケーションツールだと思うか。また、自分の子どもが携

帯電話のようなツールを持つことを許可するかどうか。」などを問いか

けてみたところ、以下のような意見が出てきました。



19歳の女のお子さんのお母さん(米国ウィスコンシン州)からは、周

囲に何もないような道を45分運転して大学へ通う自分の娘が携帯電話

を持つことは、娘にとっても、自分にとっても安心感をもたらすとの意

見がありました。車で帰宅する娘が、途中で不審な車に後をつけられた

が、運転中の娘が携帯電話を使って電話をかけようとしているのを見て

その不審車が去って行ったという、携帯電話が災難を防いでくれたとい

う体験をしたそうです。娘さんは携帯電話を非常時のみの使用と限り、

また同時に、お母さんは娘さんが携帯電話を持っているということだけ

で安心すると言っています。



23歳、19歳、15歳の女のお子さんをお持ちの別のお母さんも、子

ども達自身の安全のために携帯電話やポケベルを持たせているとのこと

です。持たせている主な理由としては、前述のお母さんと同じく、車を

運転している際などの緊急連絡用。しかし、アメリカでも、ポケベルが

ドラッグ・ディーラーの連絡ツールとして利用されることが多いなどの

理由から、学校自体が生徒のポケベル携帯を禁止しているケースもある

そうです。



また別の方(米国テキサス州)の意見としては、テキサス州中部・南部

地区では生徒自身が携帯電話やポケベルを購入するということはごく稀

なケースで、普通の電話を使って放課後の約束をしたりしており、それ

で何の問題もなく友達関係が保たれているように見えるとのこと。日本

の中高生の半分近くが放課後のアルバイトで忙しいという記事を読んだ

ことがあるとのことから、日本の中高生は忙しすぎるために、そのよう

なコミュニケーション・ツールが広まったのでは?との意見が出ました

。



確かに米国と日本の場合、文化的背景や治安の良し悪しなど、様々な面

から考えても、単純な比較はできないようです。米国では、日本とは違

って、高校生でも運転免許を気軽に取得出来るため、親が自主的に、運

転する子どもの安全のために携帯電話やポケベルを持たせる、または持

つことを許可するというケースが多いのかも知れません。



日本の子ども達の場合はどうなのでしょうか。親が買って持たせている

割合と、子ども達自身が自分の小遣いやアルバイトをして貯めたお金で

買う割合は、どちらかというと子ども達自身が買う方が多いように見え

ますが・・・。また、親は、その子ども達の携帯電話やポケベルの番号

を知っているのでしょうか?日本の子ども達はこれらのコミュニケーシ

ョン・ツールを、ほとんどの場合、横のつながりにしか使用していない

のではないでしょうか?やはりこれらのコミュニケーション・ツールと

子ども達の関係は、米国の場合と日本の場合はだいぶ使われ方に差があ

るようです。



確かに日本の中高生は時間的に忙しいのかもしれません。放課後は、塾

やアルバイトのスケジュールがびっしり。そこで、携帯電話やポケベル

は、どこにいても何をしていても友達と好きな時に連絡が取れる「ポー

タブル・ゲーム感覚の気晴らし」なのかもしれません。ミニ・テトリス

やたまごっちの流行も何か通ずるところがあるような感じがします。そ

して、同時に気になるのが、携帯電話やポケベルを持つ子ども達に「ど

うして持ってるの?」と聞くと、「だって、みんな持ってるもん。」と

いう答えが返ってくるということ。これらのコミュニケーション・ツー

ルを持っていないと、仲間に入れてもらえないというような事が実際あ

るのでしょうか?どうも、こうなってくると、「いじめ」などの問題と

も切り離せない一面が見えてくるような気がします。