HOME | ●図書館 | ●CRNイベント | ●シンポジウム2000

司会 牧田さん:
 先ほどのフリードマン先生のお話の最後に行政の部分に触れられていましたが、幸いなことにこの会場に厚生省の児童家庭局保育課長の清水様がいらしているそうです。CRNの小林所長からご紹介をお願い致します。

小林所長:
 保育問題についていろいろ御指導いただいている厚生省保育課の清水課長がおいでになっておられることがわかり、ぜひ一言頂戴したいとお願いをしたところ、引き受けていただきました。フリードマン先生のお話は、21世紀のより良い子育てシステム、保育システムを作るために、国を越えて役に立つ知見と思いますので、ぜひお言葉をいただきたいと思います。どうぞよろしくおねがいします。

清水氏:
 プライベートでこの会場に来ております。厚生省の保育課長の清水でございます。
 今日は大変いい天気で、掃除洗濯等ができ、あるいは恋人とデートできる、そういう貴重な時間を使って、皆さんはここにいるわけでございます。しかしながら、お帰りになって皆さん多分満足されると思うんです。フリードマン先生の大変貴重な発表をはじめとして、いろんな方のお話を聞いて、満足されると思います。それはバランスの問題でございます。失ったものと得たものを比較して、どっちがいいかというバランスを皆さまが頭の中でやっておられるからだと思います。
 保育もまさにそういうバランスでございます。親の事情と子どもの事情をどうバランスをとるかがまさに保育所の現場で皆さん日夜苦労されていることでありますし、あるいは経済的な効率性と保育の質というものをいかにバランスをとるかもまた、国、地方公共団体における保育システムを考える者がまさに考えていることでございます。
 フリードマン先生のご報告の中で、注目すべきものがあったと私は思います。特に、保育の時間が長くなると、やはりマイナスの影響があるという点です。確か「微かに」という表現をお使いになっていましたが、データを詳細に拝見しないとはっきり申し上げられませんが、多分リカバリー可能な形でのマイナスの影響があるということではないかと私は受け取りました。そういうことも十分念頭に置きつつ私どもも保育システムを推進しているわけですが、マイナスがあるからといってやめても仕方がないわけであります。マイナスをいかに少なくするか、推進しながらリカバリーショットをいかに打つかを常に心がけていることが大事かな、と思います。できれば、フリードマン先生の研究のような、きわめて分析的、説得的な方法を使うことが望ましいと思っております。
 最後に一言だけ感想めいたことを申し上げます。バランスということで言えば、ある意味では子どもの対極にあります親に関しては、ほとんどが母親のイメージで語られております。昼間のご質問でも「父親はどうなっているんですか」と出ていましたが、できたらもう少し父親と育児との関係が見えるような形での研究がいろいろな所で進む、もっといいなと思いました。
 一人の参加者としてのご挨拶にさせていただきました。

牧田さん:
 会場の雰囲気が熱くなったところで、さらにディスカッションを進めたいと思います。先ほどの先生方のご発言の中から、「質の高い保育」に関するキーワードを出してみました。これからここにどんどんキーワードが加わるような形で、質の高い保育の実現に向けて、質疑応答をしていきたいと思っています。ご質問、ご意見などありましたらお願いします。


前頁(フリードマン先生のお話)へ 次頁へ


Copyright (c) 1996-, Child Research Net, All rights reserved.