この苦い経験からNGOは「ローカル・ウィズダム(土地の知恵)」を重視して、村人とともにプロジェクトを進めるように方向転換することになりました。例えば、IMPECT(Inter Mountain Peoples Education and Culture in Thailand Association /タイ山岳民族教育文化協会)では、山岳民族の人たちが知っている森の中の薬草に関する知識をまとめて記録しそれを活用する、というようなことをしています。あるいは前回出てきたピン川保全協力協会では、ピン川沿いの村々が百年以上に渡って使用している木と石による人工堰の知恵と知識を収集し共有するというようなことをしています。そして、新たなプロジェクトの計画から実施の過程に村人を実質的に参加させることが求められました。いわゆる「参加型開発」といわれるものです。